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- 科名・属名 : ハナヤスリ科 ハナワラビ属
- 特徴 :
草丈40〜70cmの夏緑性シダ。
根茎は短く直立し、円柱状で多肉質の根を多数出す。
葉は年に1回出て、部分2形、共通柄(担葉体)、栄養葉(担栄養体)、胞子葉(担胞子体)に分かれる。
共通柄(担葉体)は多肉質で淡紅色、長さ(16-)23〜31(-38)cm、葉の高さの半分を超え、基部に開口部がある。
栄養葉は3〜4回羽状深裂し、広三角形で先は鋭頭、長さ(14-)16〜21(-23)cm、幅(16-)23〜29(−34)cm。側羽片は楕円形で、長さ(8.6-)12〜16(-19)cm、幅(6-)7.7〜10(-12)cm、基部の小羽片は小さく、裂片は楕円形〜長楕円形、鋭尖頭で辺縁は深裂〜鋸歯縁。下部小羽片には柄があり、裂片は小羽軸に流れない。質は薄い草質で淡緑色。
胞子葉は葉身の基部から出て複穂状で3〜4回羽状に分岐し、卵状三角形、羽片は円錐花序の形となり有柄、長さ(4.3-)7.3〜13(-17)cm、幅(1.7-)2〜3.5(-5.2)cm。柄は長さ(12-)16〜22(-26)cm。胞子の表面には大きないぼ状の突起がある。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州(除く南部) (国外:北半球の温帯〜暖帯、中南米) 山地の疎林の林下
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2009年6月13日 熊本県阿蘇 中上・全体2 2017年6月5日 東京都高尾山 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・栄養葉 2009年6月13日 熊本県阿蘇 中下・胞子嚢穂 同 上 下・胞子嚢群 2016年5月28日 広島県神石郡
- 撮影記 :
阿蘇の特産種を求めて二十年ぶりに分け入った植林地、植林された木が大きくなってすっかり様相が変わり、目的の花は貧弱な株になっていた。
それでもツクシマムシグサやケナシベニバナヤマシャクなどが見つかり、撮影に準備を始めたところ足元にこのシダが生えていた。
前々からこのシダを見たいと思っていただけに、花の撮影は後回しにして撮影した。
栄養葉が広三角形状になる特徴的な形のシダであるが、よく似たナガホノナツノハナワラビは、栄養葉の小羽片は無柄で、胞子葉は穂状で2回羽状に分岐するなどの違いがある。
その他のシダ
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