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- 科名・属名 : ヘゴ科 ヘゴ属
- 特徴 :
高さ10mにもなる常緑性シダ。
幹は基部では径25cmになり、稀に分岐する。表面に葉柄の落ちた跡が、丸に逆八の字状の模様となって残る。枯れた葉柄が脱落していない幹は銀白色に見える。
葉は2回羽状複葉で、大きいものは長さ2mを超える。葉身は倒卵状楕円形、2回羽状深裂し、大きいものは長さ130cm、幅70cm。羽片は長さ30〜60cm、幅15〜25cm。裂片は鎌状になり、鈍頭〜円頭、辺縁は波状。葉の裏面(背軸側)の軸上には袋状の鱗片があり、淡茶色、毛はない。葉柄は緑色で、長さ30〜70cm、太くて基部は少し膨れ、幹との間に離層を作る。葉柄の側面には長さ4〜9mmの線状で白い斑点が目立つ。
胞子嚢群は遊離脈の分岐点つき、円くて突出し、包膜はない。
- 分布・生育地 :
小笠原諸島(固有) 疎林下、林縁
- 撮影月日・場所 :
2011年6月30日 東京都小笠原諸島 中・胞子嚢群 同 上 下・葉柄痕 同 上
- 撮影記 :
南西諸島に分布するヒカゲヘゴに非常によく似た木生のシダで、小笠原諸島の固有種である。
図鑑によると、葉裏の軸上の鱗片が、ヒカゲヘゴでは扁平でわら色を帯びた白色、小羽片の軸には毛があるのが本種との違いのようだ。ただ現地では、10m近い幹の上部に葉があるため、はっきりとした確認はできなかった。
幹に葉柄の落ちた跡が丸に逆八の字状の模様となって残り、それが和名の由来となっている。
小笠原にはヘゴも分布しているが、本種は幹に葉痕が残ることや、やや乾き気味のところに生えることですぐに見分けられた。
その他のシダ
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