ヒモラン(紐蘭)

Huperzia sieboldii


ヒモラン1

  • 科名・属名 :
     ヒカゲノカズラ科 コスギラン属
     注.ヨウラクヒバ属(Phlegmariurus)やヒカゲノカズラ属(Lycopodium)の考え方あり

  • 特徴 :
     草丈20〜50cmの常緑性シダ。着生。
     茎は細く、紐状で基部で繰り返し分枝して伸び、下部の太い部分で径約2mm。枝は疎らに分枝し、緑色〜黄緑色、太さは径約1.5mm。
     葉は鱗片状で三角状卵形〜卵形、長さ2mm以下、幅は長さの2/3程度と小さい。内側に湾曲して茎に圧着、下部の2/3は茎と合着し、先は鋭頭で背面は突出する。
     胞子葉は栄養葉とほぼ同形か幅がわずかに広く、胞子嚢は小枝の葉腋につき、胞子の表面にいぼ状突起がやや密につく。

  • 分布・生育地 :
     本州(伊豆半島、東海道、紀伊半島、隠岐島)、四国、九州 (国外:朝鮮(済州島)、台湾)
     樹幹や岩上に着生

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2015年4月18日  熊本県
     中・全体2、下・胞子嚢    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     川沿いの太い倒木に着生し、びっくりするほどの大株で長さも50cmを越えるようなこのシダが垂れ下がっていた。
     四国でも遠くにあるのを見たことがあったが、こんな近くでしかも大株に出会えてびっくりした。
     よく見ると、葉の根元に黄色を帯びた胞子嚢が確認できた。分かり難いが下の写真でも胞子嚢がついているのが何とかわかるだろう。
     九州南部から沖縄にかけて分布し、茎の基部近くの葉が針状で目立って開出する形をリュウキュウヒモランとして分ける考え方がある。ここでもその考え方に従ったが、最新の「日本産シダ植物標準図鑑」(学研刊)では、一つの株の中にも両者が混在するとして同一種としている。

  • その他のシダ
ヒモラン2

胞子葉(胞子嚢)