スギラン(杉蘭)

Huperzia cryptomerina


スギラン1

  • 科名・属名 :
     ヒカゲノカズラ科 コスギラン属
     注.ヨウラクヒバ属(Phlegmariurus)やヒカゲノカズラ属(Lycopodium)の考え方あり

  • 特徴 :
     草丈20〜50cmの常緑性シダ。着生。
     茎は基部で密に分枝し、その先でまばらに叉状に分枝して斜上、大きいものは上半部が反曲して垂れ下がる場合もある。
     葉は開出して密にらせん状につき、披針形で長さ1〜2cm、幅は1〜2mm。長さは不揃い、基部と先端部に向けて狭くなり先は鋭頭。緑色〜深緑色、質は革質で全縁。
     胞子嚢は枝の上部の葉の基部につき、その葉は栄養葉よりやや小さいが、胞子嚢穂というはっきりした形にはならない。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州(屋久島まで) (国外:台湾、朝鮮(済州島)、インド)
     深山の樹幹や岩壁に着生

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2013年7月21日  広島県廿日市市
     中上・全体2    同  上
     中下・全体3 2016年7月1日  静岡県富士山
     (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・胞子葉(嚢)   同  上 

  • 撮影記 :
     中国山地の最深部、僅かに残るというヒナチドリの撮影に出かけた。
     道はなく沢を遡行しながら進む。大きな滝は木の枝に掴まりながら高巻しやっと源流部についた。
     ブナの太い倒木に着生していないかと探すと、ランの代わりにこのシダが着生していた。
     帰り道、沢に張り出した太い幹にも大株が枝を広げながら着生していた。

     数年後、富士山麓で着生ランを探しながら樹幹を見ていると、久し振りにこのシダに出会った。
     今度は上部の葉の基部につく胞子嚢もしっかり撮影した。

  • その他のシダ
スギラン2

スギラン3

胞子嚢