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- 科名・属名 : イノモトソウ科 エビガラシダ属
- 特徴 :
草丈10〜30cmの常緑性シダ。
根茎は短く、斜上〜直立し、赤褐色〜暗褐色の鱗片をつける。
葉はやや2形、1回羽状全裂(最下羽片は2回羽状深裂〜全裂)、葉身は広五角形、長さ(3.8-)4.5〜6.8(-9.6)cm、幅(4.2-)5.4〜8.4(-12)cm。側羽片は最下羽片は広三角状披針形で後側が特に大きく、それ以外は長楕円状披針形で基部が中軸と合着して短い翼となり、長さ(2.5-)3.1〜4.7(-6.0)cm、幅(1.5-)2.1〜3.1(-3.8)cm。裂片は鋭頭、先端は次第に幅が狭くなり、縁は先が鈍形の細鋸歯がある。質は厚くて紙質、無毛、表面は緑色、裏面は粉白に覆われる。
葉柄は光沢のある紫褐色、もろくて折れやすく、長さ(6.3-)9.3〜16(-22)cmと葉身よりはるかに長い。葉柄基部だけに鱗片があり、狭披針形、暗褐色で縁は淡褐色。
胞子嚢群は裂片の辺縁にお互いに合着して長く連なり、偽包膜に包まれる。
- 分布・生育地 :
本州(岩手県、関東地方以西)〜沖縄 (国外:朝鮮、中国、台湾、ロシア(極東)、モンゴル、インドシナ〜南アジア) 山地の岩上、石垣(石灰岩地に多い)
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2007年8月4日 群馬県甘楽郡 中上・全体2 2017年5月30日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・胞子嚢群1 2007年8月4日 同 上 下・胞子嚢群2 2017年5月30日 同 上
- 撮影記 :
このシダを見かけた群馬県でも大分県でも石灰岩地、図鑑でも石灰岩地に多いとされる。
緑色の葉を広げている時は気づき難いが、ひっくり返して裏を見ると粉白に覆われて美しい。乾燥すると一時的に丸まるので、そのときも裏面の粉白がよく目立つ。
関東地方などでは、この仲間でミヤマウラジロという種があり、これも裏面は粉白であるが、葉身が三角状披針形〜卵形であることや、全体にやや大きく、葉柄が葉身より短いことなどで見分けられる。
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