ホウライシダ(蓬莱羊歯)

Adiantum capillus-veneris


ホウライシダ1


  • 科名・属名 : イノモトソウ科 ホウライシダ属

  • 特徴 :
     草丈15〜40cmの常緑性シダ。
     根茎は短く匍匐し、やや密に鱗片をつける。
     葉は2回羽状複生〜3回羽状深裂、葉身は三角状卵形〜三角状長楕円形、長さ(9.8-)13〜19(-22)cm、幅(4.3-)6.2〜9.2(-11)cm。側羽片は(5-)6〜8(-9)対あR、基部のものが最大で長さ(3-)3.6〜4.6(-6)cm、幅(1.6-)1.9〜2.7(-3.6)cm、基部はくさび形。小羽片は扇形、長さ(1-)1.1〜1.4(-1.9)cm、幅(0.5-)0.8〜1.3(-1.9)cm。裂片は円頭〜鈍頭、前側は鈍鋸歯縁、それ以外は全縁。質は薄い草質〜膜質、緑色〜鮮緑色で無毛。
     葉柄は黒紫色〜黒色で光沢があり、長さ(4.5-)7.7〜13(-19)cm。鱗片は基部のみにあり、茶褐色〜褐色、狭披針形〜線状披針形で尾状に伸び、長さ(1.2-)1.8〜2.9(-3.8)mm。
     胞子嚢群は裂片の上縁に数個つき、長楕円形〜円形、長さ(0.7)0.9〜1.1mm、幅(0.9-)1.7〜2.5(-3.3)mm。包膜はなく、偽包膜がある。

  • 分布・生育地 :
     本州(千葉県、石川県以西)〜沖縄 (国外:熱帯〜暖帯)
     日当たりのいい道端、海岸近くの崖、石垣

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2007年2月10日  神奈川県逗子市
     中上・全体2 2006年12月23日  沖縄県国頭郡
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・葉(表) 2007年3月17日  沖縄県石垣島
     中下・胞子嚢群1 2007年2月10日  神奈川県逗子市
     下・胞子嚢群2 2006年12月23日  沖縄県国頭郡

  • 撮影記 :
     海岸近くの岩場や石垣などでよく見られるが、特に白い隆起珊瑚礁の崖に生えている姿は美しい。
     中の写真は、まだシダの撮影を本格的に始める前、沖縄・万座毛の海岸で美しさに惹かれ撮影したものである。
     美しさゆえ栽培されることも多いが、採取されて激減したという話しは聞かれず、今でもよく目にするのでホッとしている。
     同属のハコネシダによく似ているが、小葉の形がやや違うことや裂片につく胞子嚢群が複数であることで区別できる。

  • その他のシダ
ホウライシダ2

葉(表)

胞子嚢群1

胞子嚢群2