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- 科名・属名 : イノモトソウ科 イノモトソウ属
- 特徴 :
草丈40〜90cmの常緑性シダ。
根茎は短く斜上し、線形で茶褐色〜黒褐色の鱗片うをつける。
葉は2回羽状深裂〜全裂、葉身は三角状卵形〜卵状長楕円形、先は鋭頭〜鋭尖頭、長さ(29-)33〜40(-44)cm、幅(10-)14〜19(-23)cm。側羽片は4〜6対、狭三角形で上側(前側)は全縁、下側(後側)は羽状に深裂〜全裂し、長さ(4.5-)6.4〜9.4(-12)cm、幅(2.5-)3.1〜4.7(-5.6)cm。小羽片は基部のものが最大で、長さ(2.2-)2.5〜3.3(-4.2)、幅(0.7-)0.8〜0.9(-1)cm、比較的広い間隔でつく。胞子嚢のつかない裂片の辺縁には微鋸歯がある。質は紙質で黄緑色。
葉柄は赤褐色で光沢があり、長さ(18-)26〜35(-45)cm。鱗片は基部のみにあり、線状披針形で茶褐色〜黒褐色、名が麻(2.9-)3.1〜3.6(-4.2)mm。
胞子嚢群は裂片の辺縁にそって長く伸び線形、裂片の辺縁が反転して透明の偽包膜となる。
- 分布・生育地 :
九州(屋久島、種子島以南)〜沖縄 (国外:朝鮮、台湾、中国(南西部)〜アジア熱帯域) 低山地のやや乾いた林下
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2007年3月26日 鹿児島県屋久島 中上・全体2 2019年5月9日 沖縄県西表島 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・葉表 2007年3月24日 鹿児島県屋久島 左下・胞子嚢群1 同 上 右下・胞子嚢群2 2019年5月9日 沖縄県西表島
- 撮影記 :
よく似たアマクサシダの羽片は上側も下側も羽状に深裂〜全裂するのに対し、このシダの上側は全縁で裂けないことが異なる。
分布もアマクサシダより南に偏し、屋久島、種子島より南の島で見られる。
春先屋久島に出かけたとき初めてこのシダを見かけたが、上側が全縁で下側が裂ける羽片の形は、まるで鳥が羽根を広げているようですごく印象に残った。
屋久島では比較的よく見かけたが、沖縄ではアマクサシダはよりもやや少ないように感じる。
その他のシダ
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