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- 科名・属名 : イノモトソウ科 リシリシノブ属
- 特徴 :
草丈20〜30cmの夏緑性シダ。
根茎は短く斜上し、葉を叢生する。
葉は2形、胞子葉は栄養葉より大きく、2〜3回羽状複生、葉身は卵形で先は鋭頭、長さ(6.8-)8.2〜10(-12)cm、幅(3.6-)4.6〜5.8(-7.3)cm。側羽片は卵形〜狭卵形で有柄、長さ(2.5-)3.4〜4.5(-5.6)cm、幅(1.5-)1.8〜2.3(-3)cm。小羽片は長さ(0.7-)0.9〜1.1(-1.2)cm、幅(0.4-)0.5〜0.6(-0.7)cm、先端は鋭頭で波状縁。質は厚い革質で黄緑色、無毛。
栄養葉は3回羽状中裂〜複生、葉身は卵形で先は鋭頭、長さ(5.8-)6.5〜8.7(-10)cm、幅(3.2-)3.9〜5.2(-6.3)cm。側羽片は卵形〜狭卵形で有柄、長さ(1.5-)2.1〜3.2(-3.9)cm、」幅(1.3-)1.6〜2.2(-2.8)cm。小羽片は長さ(0.5-)0.7〜1(-1.3)cm、幅(0.3-)0.4〜0.6(-0.8)cm、先は鈍頭で縁は切れ込みを除き全縁。質や色は胞子葉と同じ。
葉柄はわら色、胞子葉で長さ(6.5-)10〜16(-21)cm、栄養葉で長さ(3.4-)5.4〜8.1(-10)cm。鱗片は基部のみあり、広披針形で淡褐色、長さ(3-)3.8〜5.3(-6.8)mm。
胞子嚢群は胞子葉の裂片の辺縁近くにつき、長楕円形で長さ(0.4-)0.5〜0.7(-0.8)mm、幅(3-)3.5〜4.9(-6.3)mm。反転した葉縁が薄い偽包膜となり、先端は重なり合って胞子嚢群を包み込む。
- 分布・生育地 :
北海道、本州(東北地方) (国外:朝鮮、ロシア(サハリン、ウラル)、西アジア、ヨーロッパ) 高山帯の岩場
- 撮影月日・場所 :
上・全体1(栄養葉) 2014年8月19日 岩手県早池峰山 下・全体2(栄養葉) 同 上 (両方とも拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
この年の盆明けは悪天候が続き、前泊した宿の女将の話でも「ここ数日悪天候で風が強く、登山者は皆途中で引き返している」とのことだった。
翌日も曇り、ダメかと思ったが行ける所までと濃いガスの中登り始める。
途中、目的のアザミ類を撮影しながら標高を上げていくと、雨は止み、一番の難所のハシゴ場の風もそれほどでもなく、何とか登ることができた。
ナンブトウウチソウなど花期の遅い花を写しながら進むと、岩の隙間に本種らしきシダを見つけた。
目的の一つだっただけに大喜びしたが栄養葉しかない、胞子葉はないかと辺りを探したが見当たらず、次回の課題となった。
帰りは雨が降り出し、そうでなくても滑りやすい蛇紋岩の急坂を慎重に下ったが、翌日は足が重くまともに階段を上がれなかった。
その他のシダ
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