エゾメシダ(蝦夷雌羊歯)

Athyrium brevifrons


エゾメシダ

  • 科名・属名 : イワデンダ科 メシダ属

  • 特徴 :
     草丈60〜100cmの夏緑性シダ。
     根茎は斜上し、葉を叢生する。
     葉は3回羽状浅裂〜深裂、葉身は卵状披針形〜披針形で先は鋭尖頭、長さ(31-)37〜50(-67)cm、幅(19-)25〜31(-36)cm。側羽片は長楕円状披針形でほぼ無柄、長さ(5-)8.9〜12(-14)cm、幅(1.9-)3〜4.1(-5)cm。小羽片は披針形で無柄、長さ(1-)1.2〜1.7(-2.1)cm、幅(0.3)0.5〜0.7(-0.9)cm、先端は鈍頭〜鋭頭、辺縁は鋭鋸歯縁。質は草質で鮮緑色、無毛。
     葉柄は紅紫色〜淡緑色、基部は褐色、長さ(21-)26〜37(-52)cm。鱗片は最基部でやや密につき、それより上では疎ら、披針形〜狭披針形でやや捻れ、淡褐色〜褐色、長さ(3.6-)6〜8.2(-9.4)mm。葉軸の鱗片はごく疎らで早落性。
     胞子嚢群は小羽片の中肋と辺縁の中間〜中肋寄りにつき、中肋の両側に1列に並び、楕円形〜鉤形、長さ(0.6-)0.8〜1.1(-1.2)mm。包膜は半月形〜鉤形、辺縁は細かく裂けて糸状。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(鳥取県以東) (国外:朝鮮、中国(東部)、ロシア(極東)) 
     山地の湿った林内、草地

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2014年8月19日  岩手県早池峰山
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・葉表、下・胞子嚢群    同  上

  • 撮影記 :
     下山途中降り出した雨の中、滑りやすい蛇紋岩の急傾斜を慎重に下る。
     やっとややなだらかな場所まで降りきってホッとすると、足元以外を見回す余裕が出てきた。
     すると林縁の草地に生えるこのシダが目に入った。
     雨が降り続き、まだ宿までかなりの時間歩かなければならないので、三脚を立ててゆっくり撮影する気になれず、使い始めたデジカメで数カット手持ち撮影した。
     帰って調べると、ミヤマメシダに似ているが、葉軸の鱗片がついていなかったこと(早落性)から本種と判断した。
     しかし、早池峰山には両種とも分布していて、葉柄が葉身並に長く、鱗片が褐色という本種の特徴が確認できていないのでミヤマメシダの可能性もあり、同定の自信はない。

  • その他のシダ
葉(表)

胞子嚢群