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- 科名・属名 : イワデンダ科 ノコギリシダ属
- 特徴 :
草丈90〜120cmの常緑性シダ。
根茎は長く横走し、線状披針形で径3〜5mm。
葉は2回羽状複生〜3回羽状中裂、葉身は三角状広卵形〜三角状卵形で先は鋭尖頭でやや尾状、長さ(51-)53〜56(-64)、幅(26-)38〜48(-59)cm。側羽片は(14-)16〜19(-20)対あり、長楕円状披針形〜三角状披針形、長さ(20-)24〜27(-29)cm、幅(11-)14〜17(-20)cm、有柄で長さ(3-)3.7〜4.7(-5.2)cm。鋭頭〜鋭尖頭。小羽片は長楕円形、長さ(5.6-)6.2〜7.1(-7.6)cm、幅(1.2-)1.4〜1.6(-1.8)cm、最終裂片は円頭〜鈍頭、基部は切形〜広いくさび形、縁は波状縁〜鋸歯縁。質は硬い紙質、緑色で表側(向軸側)の軸上に微毛がある。
葉柄は淡緑色で基部は褐色、長さ(3--36)43〜56(-64)cm。鱗片は基部で密、それより上では疎らにつき、狭披針形〜線状披針形で縁は小突起縁、黒褐色で光沢があり、長さ(5.2-)7.6〜11(-13)mm。ほぼ無毛。
胞子嚢群は裂片の辺縁寄りにつき、狭長楕円形〜線形、長さ(1.3-)1.6〜2.1(-2.8)mm。包膜は狭長楕円形で、不規則な突起縁。
- 分布・生育地 :
本州(静岡県、紀伊半島)、四国(南西部)、九州〜沖縄 (国外:中国(南部)、台湾、ベトナム、タイ) 山地林下
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2015年3月24日 沖縄県うるま市 中1・全体2 2019年12月15日 静岡県磐田市 中2・全体3 2015年3月24日 沖縄県うるま市 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック) 中3・葉(表) 2019年12月15日 静岡県磐田市 中4・胞子嚢群1 同 上 左下・胞子嚢群2 2015年3月24日 沖縄県うるま市 右上・葉柄基部鱗片 2019年12月15日 静岡県磐田市 右下・葉上基部鱗片 2015年3月24日 沖縄県うるま市
- 撮影記 :
記録を頼りに静岡県の自生地に出かけた。丁寧に看板が立っていたものの、辺りは鹿の食害でシダどころか草一つ生えていなかった。
何年か後、沖縄に出かけた際、遊歩道沿いにコクモウクジャク が現れ、更に進むとこのシダが群生していた。
大きさなど草姿もよく似たシダであるが、違いは胞子嚢群の位置で、コクモウクジャクの胞子嚢群が裂片の辺縁と中肋のほぼ中間辺りにつくのに対し、このシダでは明らかに辺縁寄りにつく。
現地で見ると、両種が混在して生えていることはなくお互いに住み分けていたが、両種の自生地ではどこでも同じなのだろうか。


その他のシダ
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