リュウキュウキンモウワラビ(琉球金毛蕨)

Hypodematium fordii


リュウキュウキンモウワラビ1

  • 科名・属名 : イワデンダ科 キンモウワラビ属
     注.最近の分枝系統解析ではキンモウワラビ科、学名(HYPODEMATIACEAE)

  • 特徴 :
     草丈8〜15cmの常緑性シダ。
     根茎は短く横に這い、赤褐色で長さ1〜1.5cmの鱗片を密につける。
     葉身は3回羽状中裂〜複生、葉身は三角状長楕円形で先は鈍頭、長さ(3.1-)3.5〜4.8(-6.5)、幅(3.2-)3.7〜4.8(-6.1)cm。側羽片は最下羽片では三角形、それより上では三角状狭披針形で円頭〜鈍頭、長さ(1.8-)2.2〜3(-3.8)cm、幅(1.4-)2〜2.6(-2.8)cm、短柄(0.2cm程度)がある。小羽片は長楕円形で鈍頭、全縁、長さ0.4〜0.5(-0.6)cm、幅0.3〜0.4cm。質は草質、鮮緑色で、全体に腺毛があり、裏面には特に多いが、鋭く尖った毛はない。
     葉柄は淡緑色、長さ(2-)2.5〜4.4(-6.3)cm、まばらに腺毛がある。鱗片は基部のみ密につき、披針形で黄褐色、長さ(1.9-)4〜7.3(-9.7)mm。
     胞子嚢群は辺縁と中肋の間〜やや辺縁寄りにつき、歪んだ円形で、長さ(0.5-)0.8〜1(-1.1)mm。包膜は歪んだ円腎形、不規則な突起縁で、縁にまばらに腺毛がある。

  • 分布・生育地 :
     沖縄島(北部) (国外:中国)
     石灰岩の隙間

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2011年9月24日  沖縄県国頭郡
     中上・全体2 2019年4月3日    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・胞子嚢群1 2011年9月24日    同  上
     左下・胞子嚢群2 2019年4月3日    同  上
     右下・基部鱗片    同  上

  • 撮影記 :
     石灰岩の岩峰の隙間に張り付くようにこのシダが生えていた。
     キンモウワラビのイメージが強かったため、思ったより小さいなというのが最初の印象だった。
     この属の特徴である、根元の鱗片を一杯につけた葉枕と呼ばれる膨らんだ部分を撮影したかったのだが、石灰岩の隙間の奥にあって叶わなかった。
     日本では沖縄島北部の石灰岩の隙間にわずかに生育しているだけの絶滅危惧種で、もろくて折れやすいと図鑑で見ていたので、ソーラスを撮影するためにひっくり返すのも恐々だった。

  • 基部鱗片

    その他のシダ
リュウキュウキンモウワラビ2

胞子嚢群1

胞子嚢群2