サカバイヌワラビ(逆葉犬蕨)

Athyrium reflexipinnum


サカバイヌワラビ

  • 科名・属名 : イワデンダ科 メシダ属

  • 特徴 :
     草丈10〜30cmの夏緑性シダ。
     根茎は小さく斜上し、葉を叢生する。
     葉は2回羽状浅裂〜全裂、葉身は披針形〜長楕円状披針形、先は鋭尖頭、長さ(7.3-)9.8〜16(-23)cm、幅(1.9-)2.3〜4.8(-8.2)cm。側羽片は長楕円状披針形〜三角状披針形、浅裂〜深裂し、長さ(0.9-)1〜1.7(-2.4)cm、幅0.6〜0.8(-1.1)cm。小羽片は長楕円形〜楕円形、無柄で基部は羽軸に流れ、長さ(0.3-)0.4〜0.5(-0.6)cm、幅0.2〜0.3(-0.4)cm、先は鈍頭、鋸歯縁かもう少し深く切れ込み、最下前側の裂片は大きい。質は草質、緑色で毛は葉軸向陽側で疎らに短毛がある。
     葉柄は淡紅紫色〜淡緑色、長さ(2.3-)4.7〜9.8(-17)cm。鱗片は最基部でやや密、それより上では疎らにつき、披針形〜狭披針形、淡褐色で全縁、長さ(1.9-)2.4〜4.4(-6.8)mm。
     胞子嚢群は裂片のやや中肋よりにつき、長楕円形〜鉤形、長さ(0.9-)1〜1.2(-1.4)mm。包膜は長楕円形〜鉤形、不規則な突起縁がある。

  • 分布・生育地 :
     四国(愛媛・徳島県)、九州(屋久島) (国外:韓国(済州島)、台湾)
     高地の陰湿な山地林下

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2008年10月6日  鹿児島県屋久島
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・胞子嚢群    同  上

  • 撮影記 :
     屋久島奥山の登山道の入口に降り立つと雨、辺りはガスでに覆われ視界もあまり利かない。
     今日の目的の花は晴れないと開かない、行くか止めるか迷ったが、午後から回復の予報と標高が上がれば雲の上に出るのではの期待で登り始めた。
     こんな天気なので滑らないよう足元を気をつけながら登っていくと、樹林下で側羽片が下向きについた変わった形のシダが目に入った。
     側羽片が下向きになる特徴のこのシダがあることを、事前の調べで知っていたので大喜び、雨の中荷物を降ろし撮影した。
     ただ、よく似たサカバサトメシダもあり、違いは基部近くの羽片が独立するサカバサトメシダに対し、本種では側羽片全体が浅裂〜中裂することである。本種と同定したが100%の自信はない。
     このシダに出会えたことで気分を良くし登っていくと、1500mを越えた辺りで雨が上がり青空と太陽が顔を出し、目的の花もしっかり開花していて満足の1日となった。

  • その他のシダ
胞子嚢群