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- 科名・属名 : カニクサ科 カニクサ属
- 特徴 :
長さ数mになるツル性の常緑性シダ。
根茎は匍匐し、黒褐色の毛が密生する。
葉はつる状に無制限に伸び、数mの高さにまでなることもある。
中軸から分枝する枝は1対の羽片をつけ、それぞれの羽片は5〜10cm離れて着く。羽片は数対の小羽片をつけ、小羽片は三角形〜三角状長楕円形、長さ1.5〜3cm、幅約1cm、先端に向け次第に狭まり、基部は切形かやや心形。胞子嚢濃をつけない小羽片は全縁。
胞子嚢をつける羽片は辺縁に長さ3〜7mm、幅約1mmの小裂片を突出させ、2列に並んで胞子嚢をつける。胞子嚢は偽包膜に覆われ、無毛で辺縁に鋸歯がある。
- 分布・生育地 :
沖縄(八重山列島) 日当りのいい原野、林縁
- 撮影月日・場所 :
2005年6月11日 沖縄県西表島 中・胞子嚢葉表 2012年6月10日 同 上 下・胞子嚢葉裏 同 上
- 撮影記 :
シダについて教えられる時、このシダが入っているカニクサ属は、何mにも伸びることがある植物体全体が1枚の葉で、見た目1枚の葉のようなものは葉の一部だと聞かされびっくりする。
その中でもイリオモテシャミセンヅル(西表三味線蔓)という面白い和名のついたこのシダは、名前の通り西表島のある八重山列島にだけ分布している。
西表島では決して珍しいシダではなく、道端や明るい林縁などで他の植物に覆いかぶさるように葉を広げている。
ただし、若い葉は三角状長楕円形で、長さ5cmを超える小羽片をつけることがあり、ナガバカニクサとよく似ていていて間違えやすいが、本種は単羽状に分岐するので注意してみればわかる。
このシダは利尿剤や虫刺されの民間薬として用いられることがあるらしい。
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