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- 科名・属名 : カニクサ科 カニクサ属
注.APG分類では、ナガバカニクサを分けているが、「日本産シダ植物標準図鑑T」(学研刊)ではカニクサと同一種としている。
- 特徴 :
長さ2mにもなるつる性の常緑性シダ。
根茎は匍匐し、径2〜3mmで黒褐色の毛を密生する。
葉はつる状に伸び、中軸から分枝する一次羽軸は長さ3〜15mm、二次羽軸は長さ20cm以下、はっきりした翼がある。羽片は2回羽状に分岐し、三角状〜円形、下部の羽片は掌状に5〜7裂する。頂裂片が4〜8cmと長く、先は鈍頭で縁は鈍鋸歯。
胞子嚢は小裂片の辺縁に突出してつき、長さ3〜8mm、幅約1.5mm。偽包膜は辺縁に毛がある。
- 分布・生育地 :
九州(屋久島以南)〜沖縄 山野、林縁
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2007年2月16日 沖縄県石垣島 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中・胞子嚢葉表 2012年2月27日 沖縄県国頭郡 下・胞子嚢群 2007年2月16日 沖縄県石垣島
- 撮影記 :
このシダが属するカニクサ属は、葉がつる状になって数mにも伸び、それが1枚の葉ということにいつも驚かされる。
本種は、九州(屋久島・種子島を除く南西諸島以南)〜沖縄に生育し、本州〜九州に分布するカニクサに比べ頂裂片が細長いことで変種とする考え方に沿ったが、両者の中間形もあることから同一種とする考え方もある。
上の写真のように小さな植物を覆い尽くして繁茂している姿もよく見る。
八重山列島に出かけるとよく似たイリオモテシャミセンヅルがあり、一見すると区別しにくいが、羽片の分岐がイリオモテシャミセンヅルが単羽状なのに対し、本種では2回羽状に分岐するのが異なる。両種の写真を比較して見るとその違いがはっきりする。
和名の由来は、このシダの細く長い蔓を蟹を釣るのに使ったことからつけられているようだが、実際に釣りに使っている所は見たことがない。
ただ、長い蔓はしっかりしていて、籠などを作るのに用いられるそうで、釣り糸として使ったというのも納得できる気がする。
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