ヒメチヂレコケシノブ(姫縮苔忍)

Hymenophyllum denticulatum


ヒメチヂレコケシノブ1

  • 科名・属名 :
     コケシノブ科 コケシノブ属

  • 特徴 :
     草丈3〜9cmの常緑性シダ。
     根茎は長く這って分岐し、疎らに根を出す。淡褐色の毛があって葉柄基部などにつくが、早落性で古い部分は裸になり、針金状になることが多い。
     葉身は2回羽状複葉かさらに切れ込み、卵円形〜長楕円形、長さ2.5〜6.5cm、幅1.5〜2.5cm。緑色〜暗緑色で、裂片の辺縁は鋸歯状となって先が反曲し、縮んで波を打つ。中軸や葉柄上部には翼があり、翼も鋸歯縁となって縁が波状に縮む。裏面脈上には淡褐色の毛がある。葉柄は、長さ0.8〜2.5cmと短く、翼があるが古いものはなくなる。
     胞子嚢群は裂片の頂端に単生し、包膜は下半分が鐘形で、唇部は2弁状となり、辺縁にはごく疎らに鋸歯がある。胞子嚢床は包膜より長く伸びる。

  • 分布・生育地 :
     沖縄(石垣島)
     渓流沿いの陰湿な岩上、樹幹に着生

  • 撮影月日・場所 :
     2015年12月18日  沖縄県石垣島
     中、下・胞子嚢群    同  上

  • 撮影記 :
     どんよりと曇って雨がパラつき、北東の季節風が強い、南の島の冬の典型的な気候、出かけるかどうか迷った。
     それでも登り始めるとすぐに汗が滲み出す、樹林下でやや薄暗い中、もくもくと歩いた。
     この時期、さすがに花は少なく、カゴメランが点々と見られるくらいで、シダを探しながら歩いた。
     すると、目の前の岩にマット状になったこのシダが着生していた。
     小さなシダで、目を近づけてみると、葉の裂片の先は波状の不規則な鋸歯があり、包膜は先は2弁状になっているものの下半分は鐘形、根棒状の胞子嚢床は、明らかに包膜より長かった。

  • その他のシダ
ヒメチヂレコケシノブ2

胞子嚢群