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- 科名・属名 : コケシノブ科 コケシノブ属
- 特徴 :
草丈5〜10cmの常緑性シダ。
根茎は長く這って不規則に分岐し、径1〜2(-3)mm、疎らに根を出す。淡褐色の毛があって葉柄基部などにつくが、早落性で古い部分は裸になり、針金状になることが多い。
葉は2回羽状深裂〜3回羽状深裂、葉身は卵状披針形〜長楕円状披針形、長さ(2.8-)4.2〜6.1(-7.6)cm、幅(1.5-)1.7〜21(-2.5)cm。側羽片は卵形〜長卵形、長さ(7-)8〜10(-11)対あり、卵形〜長卵形、長さ(4-)6〜8(-9)mm、幅(2-)3〜5(-9)mm、淡柄がある。最終裂片は幅(8-)9〜10(-11)mmで、先は鈍頭〜鋭頭、裂片の辺縁は鋸歯状となって先が反曲し、縮んで波を打つ。中軸や葉柄上部には翼があり、翼も鋸歯縁となって縁が波状に縮む。裏面脈上には淡褐色の毛がある。色は緑色〜暗緑色。
葉柄は、暗褐色、長さ(1.2-)1.6〜2.2(-276)cm、翼があり基部近くまで波打つが古いものはなくなる。
胞子嚢群は裂片の頂端に単生し、長楕円形。包膜は下半分が鐘形で、唇部は2弁状となり、長さ(2.1-)2.2〜2.4(-2.7)mm、幅(1.1-)1.2〜1.4(-1.4)mm、辺縁にはごく疎らに鋸歯がある。胞子嚢床は包膜より長く伸びる。
- 分布・生育地 :
沖縄(石垣島) (国外:中国、台湾、東南〜南アジア、南太平洋(フィジー) 渓流沿いの陰湿な岩上、樹幹に着生
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2013年12月18日 沖縄県石垣島 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
どんよりと曇って雨がパラつき、北東の季節風が強い、南の島の冬の典型的な気候、出かけるかどうか迷った。
それでも登り始めるとすぐに汗が滲み出す、樹林下でやや薄暗い中、もくもくと歩いた。
この時期、さすがに花は少なく、カゴメランが点々と見られるくらいで、シダを探しながら歩いた。
すると、目の前の岩にマット状になったこのシダが着生していた。
小さなシダで、目を近づけてみると、葉の裂片の先は波状の不規則な鋸歯があり、包膜は先は2弁状になっているものの下半分は鐘形、根棒状の胞子嚢床は、明らかに包膜より長かった。

その他のシダ
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