ホラカグマ(洞かぐま)

Ctenitis eatonii


ホラカグマ

  • 科名・属名 : オシダ科 カツモウイノデ属

  • 特徴 :
     草丈40〜80cmの常緑性シダ。
     根茎は短く、塊状で斜上する。
     葉身は長楕円状卵形〜卵形で2回羽状複葉〜3回羽状深裂、長さ30〜45cm、幅20〜30cm。最下羽片が最大で三角状長楕円形、長さ7〜12cm。小羽片は長楕円形、鋭頭で辺縁は深裂し、裂片は楕円形、鈍頭で全縁。羽軸の下面には長さ2〜3mmの鱗片があり、長さ1mm程度の毛もある。質は草質で、表面には小さい毛と圧着された腺毛がある。葉柄は長さ20〜40cm、基部の鱗片は開出してつき、線形で濃褐色、全縁、長さ7〜10mm。中軸の鱗片は線形、基部だけが僅かに広く耳状、長さ4.5〜6.5mm。
     胞子嚢群は裂片の中間または小羽軸寄りにつき、包膜は円腎形で全縁、小さな毛と腺毛がある。

  • 分布・生育地 :
     九州(奄美大島以南)〜沖縄
     (国外:台湾、中国(広東省)、ベトナム、フィリピン)
     林内の湿った岩上、崖地

  • 撮影月日・場所 :
     2012年10月23日  沖縄県国頭郡
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・胞子嚢    同  上

  • 撮影記 :
     数日前の大雨で川底が大きく抉れて大石がゴロゴロし、歩きづらくなった沢を慎重に下る。
     川岸も抉られている場所が多く、以前あったという植物も多くが流されていた。
     蛇行していて流れの影響を受けにくい川岸の岩場、このシダは無事に生き残っていた。
     感じはコミダケシダに似ているが、このシダは葉身の長さが30〜45cmになり、はるかに大きい。
     ホラ(洞)カグマの和名の由来は、隆起珊瑚礁の洞穴の入口に生えることから付けられている。

  • その他のシダ
胞子嚢群