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- 科名・属名 : オシダ科 カツモウイノデ属
- 特徴 :
長さ80〜120cmの常緑性シダ。
根茎は太い塊状で直立〜斜上し、葉を叢生する。
葉身は2回〜3回羽状複葉、広卵形で長さ40〜60cm、幅30〜40cm。最下羽片が最も大きくやや不斉の三角形で、第一少羽片が最も大きい。小羽片は線状長楕円形、長さ4〜5cm、幅1〜1.5cm、羽状深裂する。裂片は長楕円形、円頭〜鈍頭、全縁〜わずかに鋸歯縁。羽軸の鱗片は長さ2〜4mmで先が尾状に長く伸びて線形。
葉柄は赤褐色〜黄褐色で、長さ30〜40cm。葉身の長さの半分より短く、基部には鱗片が密につく。鱗片は黄褐色〜褐色で、長さ1〜2.5cm、硬くて大型のものは線形で基部がやや幅広い。葉柄上部の鱗片は細くて圧着する。
胞子嚢群は中肋からやや離れてつき、包膜はやや不斉の円形。
- 分布・生育地 :
小笠原列島 (国外:ミクロネシア) 山地のやや乾いた林床
- 撮影月日・場所 :
2011年7月2日 東京都小笠原列島 中・胞子嚢群 同 上 下・葉柄鱗片 同 上
- 撮影記 :
小笠原列島のシダは固有種の割合が高いうえ、固有種は生育数の少ないものが多いが、このシダは林下で比較的よく見かける。
葉柄基部に硬くて長い黄褐色〜褐色の鱗片があり、名前の通りの金色というわけではないが和名の元ととなっている。
本洲〜沖縄の暖地に分布するカツモウイノデという種によく似ていて一見すると間違えやすいが、カツモウイノデは小笠原には分布せず、羽軸の鱗片も本種のほうが長いという違いがあるようだ。
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