タイワンジュウモンジシダ(台湾十文字羊歯)

Polystichum hancockii


タイワンジュウモンジシダ1

  • 科名・属名 : オシダ科 イノデ属

  • 特徴 :
     草丈25〜60cmの常緑性シダ。
     根茎は短く、葉を叢生する。
     葉身は単羽状複生で、長さ15〜35cm、最下羽片だけが単羽状複生して、それ以外より小さい。最下羽片は長さ6〜10cm、小羽片および最下羽片以外の側羽片は、長楕円状披針形で長さ1.5〜3cm。草質で縁はやや鋭い鋸歯縁から中裂する。葉柄は長さ10〜30cmで、まばらに鱗片をつけるが、鱗片は早落性。
     胞子嚢群は羽片の中肋と辺縁の中間につき、包膜は全縁で早落性。

  • 分布・生育地 :
     九州(大隈半島以南)〜沖縄 (国外:台湾、中国(福建、広東、広西省)
     低地の陰湿地、泥のついた岩上

  • 撮影月日・場所 :
     2013年1月29日  沖縄県国頭郡
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中 2011年9月25日    同  上
     下・胞子嚢群 2008年6月15日    同  上

  • 撮影記 :
     九州南部から沖縄にかけて分布しているようだが、よく見かけたのは沖縄本島の沢筋や暗い谷間だった。
     このような場所はハブの住み家、そうそう出会うものではないが、足元に気を配り慎重に歩く。
     そんな沢筋や谷間の岩場や湿った場所にこのシダは生えているので、撮影時に手を伸ばしたりするときは注意が必要だ。
     よく成長した株は本土のジュウモンジシダと同じように葉が叢生し、最下羽片が手を繋いだように形になるが、ジュウモンジシダより全体や羽片がやや小さいせいか、中の写真程度の株が多い。
     本土のジュウモンジシダが南に行くにしたがってこの種に置き換わり、さらに八重山列島ではヤエヤマトラノオになっていくらしい。

  • その他のシダ
タイワンジュウモンジシダ2

胞子嚢群