タチデンダ(立連朶)

Polystichum deltodon


タチデンダ1


  • 科名・属名 : オシダ科 イノデ属

  • 特徴 :
     草丈20〜50cmの常緑性シダ。
     根茎は直立〜斜上し、塊状となり葉を叢生する。
     葉h1回羽状複生、葉身は長楕円状狭披針形〜線状披針形、長さ(19-)23〜33(-42)cm、幅(2.5-)2.8〜4.1(-5.6)cm。側羽片は30対前後ついて開出し、葉身は長楕円状披針形〜長楕円形でやや鎌状になり、長さ(0.8-)1.1〜1.7(-2.2)cm、幅(0.5-)0.7〜1.0(-1.1)cm。先は円頭〜鈍頭、基部は前側(上側)がやや耳状となり、縁は浅い鈍鋸歯縁、無柄かやや短い柄がある。質は硬い紙質、緑色でやや光沢があり、無毛。
     葉柄は淡緑色で長さ(4.5-)6.7〜12(-17)cm。鱗片は葉柄基部でやや密に、それより上では疎らにつき、三角状披針形〜長卵形、長さ(6.0-)6.9〜8.8(-10)mm、幅(1.4-)1.6〜2.4(-3.6)mmと大きく、褐色〜茶色で先端部が黒褐色をおび、辺縁は不規則な突起縁。中軸の鱗片はやや疎ら。
     胞子嚢群は先端側からつき、やや辺縁寄りで1列に並び、円形で径(0.7-)0.9〜1.2(-1.4)mm、包膜は円形で楯状につき、ほぼ全縁〜不規則な鋸歯縁でやや早落性。

  • 分布・生育地 :
     本州(山口県)、四国(高知県)、九州 (国外:中国、台湾、フィリピン、ベトナム)
     低山地の林中の石灰岩上

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2018年6月15日  長崎県西海市
     中・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     久し振りの長崎への花見、西日本の石灰岩地にやや稀に分布するこのシダも目的の一つだった。
     見つかるかどうか心配だったが、石灰岩の岩上を覆うように点々と生えているのが簡単に見つかりホッとした。
     外見は以前山梨県で出合ったイワデンダに似ていたが、葉の色や毛がないことなどすぐに違いが分かった。
     近くには希少な花も咲いていて、石灰岩地の植生の面白さを再認識した。

  • 葉柄基部鱗片

    葉軸中部鱗片

    その他のシダ
タチデンダ2

胞子嚢群

胞子嚢