- 科名・属名 ： オシダ科 オシダ属
- 特徴 ：
草丈５０〜１００ｃｍの常緑性シダ。
根茎は短く、斜上し、塊状となって葉を叢生し、黒褐色の鱗片をつける。
葉は２回羽状複生〜３回羽状深裂、葉身は三角状卵形で上部の羽片は急に短くなりやや鉾状になり鋭尖頭、長さ(36-)４０〜４５(-50)ｃｍ、幅(25-)２６〜３０(35)ｃｍ。側羽片は最下羽片はやや非相称の三角状広披針形で、下向き第１小羽片は２番目と同じ大きさかやや短く、第２小羽片以上は三角状披針形〜長楕円状披針形で短柄があり、長さ(14-)１５〜１７(-19)ｃｍ、幅(4.6-)６．５〜９．１(-12)ｃｍ。小羽片は卵状長楕円形〜卵形、長さ(1.9-)２．１〜２．８(-3.4)ｃｍ、幅(0.8-)０．９〜１．２(-1.4)ｃｍ。裂片は鋭頭で鋸歯縁。質は紙質、緑色で光沢がある。
葉柄は淡緑色で基部は褐色、長さ(31-)３４〜４０(-45)ｃｍ。基部の鱗片は下部でやや密、それより上では疎らにつき、狭披針形〜線状披針形、黒褐色で長さ(11-)１２〜１５(-17)ｍｍ、ほぼ無毛。中部の鱗片はやや疎ら〜やや密につき、狭披針形〜線状披針形、中（葉）軸では黒褐色、その他は褐色で、羽軸や小羽片中肋のものは基部が袋状。
胞子嚢群は中肋と辺縁の中間につき、円形で径１〜１．２(-1.3)ｍｍ。包膜は円腎形、灰白色で紅紫色を帯びない。 - 分布・生育地 ：
本州〜九州 （国外：朝鮮、中国）
低山地の林下 - 撮影月日・場所 ：
上・全体１ 2016年7月10日 静岡県静岡市
中１・全体２ 2011年10月10日 三重県三重郡
（上、中１は拡大写真あり、写真をクリック）
中２・葉先 2019年12月15日 静岡県磐田市
中３・最下羽片 同 上
中４・胞子嚢群１ 2011年10月10日 三重県三重郡
左下・胞子嚢群２ 2016年7月10日 静岡県静岡市
右上・葉柄基部鱗片 2019年12月15日 静岡県磐田市
右下・葉柄中部鱗片 同 上 - 撮影記 ：
初めて名前を聞いた時はトウゴク（東国）シダだと思い、東日本で見つかったかシダと思っていた。
ところが、トウゴクは東国ではなく東谷で、愛知県にある山の名前であることを知った。
低山地の林下などでよく見られるシダで、ベニシダに似ているが、若葉や包膜は紅紫色を帯びず、葉柄の鱗片も黒褐色であることなどが異なる。
ただ、広く分布するシダのため変異の幅が大きく、自生地では区別が難しい個体も多く厄介だ。
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