ヤブソテツ(藪蘇鉄)

Cyrtomium fortunei var. fortunei



  • 科名・属名 : オシダ科 ヤブソテツ属

  • 特徴 :
     草丈50〜100cmの常緑性シダ。
     根茎は直立〜斜上する。
     葉は1回羽状複生、葉身は長楕円状披針形、長さ40〜70cm、幅15〜20cm。側羽片は15〜30対、広披針形〜狭長楕円形、長さ6〜10cm、幅2〜3cm。先は微鋸歯、縁は波状、基部の前側の肩はあまり耳状にならない。質は厚い紙質、黄緑色で光沢がない。葉柄は淡緑色〜わら色、長さ10〜30cm、全体に線形で褐色の鱗片がある。
     胞子嚢群は羽片の全体に多数散在し、円形で径約1mm、包膜は円形で楯状につき、灰白色で全縁。

  • 分布・生育地 :
     本州〜九州 (国外:朝鮮、中国、南アジア)
     平地〜山地の路傍、林縁など明るい場所

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2007年2月10日  神奈川県逗子市
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・胞子嚢群、右下・葉先    同  上

  • 撮影記 :
     ヤブソテツは広義ではヤマヤブソテツも含み、両者を分けない考え方もあり、参考にしている「日本産シダ植物標準図鑑」(学研)でも分けてはいないが、ここでは狭義の分類の考え方をとり、別種とした。
     違いは、側羽片が15〜30対と多いこと、側羽片の幅が3cm以下とやや狭いこと、羽片の基部の耳状突起が目立たないことなどとされている。
     どちらも分布域ではごく普通に見られる種で、特にやや明るい場所でよく見られる。

  • その他のシダ
胞子嚢群

葉先