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- 科名・属名 : サンショウモ科 アカウキクサ属
- 特徴 :
浮遊性で小型の夏緑性水生シダ。
茎はやや密に水平に伸びながら分枝しやや赤味を帯び、葉と少数の根を生じる。根に根毛がない。
植物体の全体は長さ1.5〜7cm。葉は互生し、単葉で煉瓦状に密につき、上下2裂片に分かれ、三角状楕円形で長さ(0.9-)1.0〜1.3(-1.4)mm、幅(0.7-)0.9〜1.4(-1.6)mm。先は鈍頭〜鋭頭、粒状の突起はほとんど目立たない。質は薄い草質、淡緑色で秋期には紅色に変わり、冬期には先端部だけを残して枯れる。
胞子嚢群は下側(水中)裂片につき、初夏〜夏に成熟し、白色かわずかに紅色を帯びる。
- 分布・生育地 :
本州、四国、九州(熊本、大分県) (国外:日本固有) 水田、池、溝などの水面上
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2014年9月14日 大分県宇佐市 中上・全体2 2018年9月6日 東京都葛飾区 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・植物体 2014年9月14日 大分県宇佐市 左下・胞子嚢群 2018年9月6日 東京都葛飾区 右下・根 同 上
- 撮影記 :
よく似たアカウキクサに比べ植物体がやや大きいことから和名がつけられている。
やや大きいといっても分かり難いが、大きな違いは、本種の水中につく根に根毛がないことである。また、秋には紅変するが、夏緑性で冬期には枯れることも常緑のアカウキクサとは異なる。
水田や池を覆うように広がり秋に紅変するので、シダに興味のない頃にも撮影していたが、根の根毛の有無など気にかけてもいなかったので、最終的な同定ができなかった。
違いが分かってから出合った時、水から引き上げ改めて根の毛を見ると、確かに根毛がないことが確認できた。
中上の写真で本種の間に浮かんでいる淡緑色の葉は、アオウキクサで同じウキクサと名がつくが、シダ植物ではなく種子植物である。
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