シシガシラ(獅子頭)

Blechnum niponicum


シシガシラ1


  • 科名・属名 :
     シシガシラ科 ヒリュウシダ(シシガシラ)属

  • 特徴 :
     草丈30〜60cmの常緑性シダ。
     根茎は太くて短く、塊状になってやや斜上し、葉を叢生する。
     葉は2形、栄養葉は1回羽状全裂、葉身は狭楕円形で鋭頭、長さ(27-)31〜41(-45)cm、幅(4.7)6.4〜8.9(-10)cm。側羽片は(37-)49〜60(-65)対、狭長楕円形〜線形、やや鎌状で基部は中軸に流れて痕跡状、長さ(0.2)0.3〜0.6(-0.9)cm、幅(0.1-)-)0.5〜0.7(-1)cm、最大羽片で、長さ(1.7-)2.6〜4(-5.2)cm、幅(0.4-)0.6〜0.7(-0.8)cm。最終裂片は鈍頭〜鋭頭で全縁。羽軸の表面に浅い溝がある。
     胞子葉は1回羽状複生、葉身は狭長楕円形で鋭頭、長さ(28-)37〜49(-62)cm、幅(3.5-)4.3〜5.5(-6.4)cm。側羽片は(27-)43〜57(-59)対、線形でやや疎らにつき、長さ0.1〜0.2cm、幅(0.1-)0.2〜0.4(-0.8)cm。最大羽片で、長さ(1.1-)1.8〜2.8(-3.3)cm、幅0.2〜0.3cmと、栄養葉の裂片より短く幅が狭い。
     葉柄は淡褐色で若い時はやや赤味を帯び、栄養葉で、長さ(0.8-)2.1〜4.6(-7.6)cm、胞子葉で、長さ(3.1)5.4〜8(9)cmと、栄養葉より長い。鱗片は基部で密につき、線状披針形、中央部は褐色〜黒褐色で辺縁は淡褐色、長さ(0.7-)11〜14(-17)mm。
     胞子嚢群は線形、胞子葉の羽片の中肋沿いに長く伸び、包膜は線形。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州(屋久島まで) (国外:日本固有)
     道端、林下

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2015年7月13日  群馬県尾瀬
     中1・全体2 2023年9月17日  山形県山形市
     (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)
     中2・栄養葉    同  上
     中3・栄養葉(表) 2020年8月12日  福島県南会津郡
     中4・胞子葉 2023年9月17日  山形県山形市
     左下・胞子嚢群 2020年8月12日  福島県南会津郡
     右下・葉柄基部鱗片    同  上

  • 撮影記 :
     南西諸島を除く日本全土に分布し、ごく普通に見られるシダである。
     良く似たシダにミヤマシシガシラがあるが、胞子葉が栄養葉の2倍と長く、またオサシダは栄養葉の羽軸の表側に溝はなく、生える場所も岩場に多い。
     常緑のシダであるが、新葉は時にやや赤みを帯びることがあり、常緑の緑色との対比はなかなか美しい。

  • 葉柄基部鱗片

    その他のシダ
シシガシラ2

栄養葉

栄養葉(表)

胞子葉

胞子嚢群