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- 科名・属名 : チャセンシダ科 チャセンシダ属
- 特徴 :
草丈90〜150cmの常緑性シダ。
根茎は短く、直立し、多数の葉を放射状に出す。
葉は単葉、葉身は狭披針形、長さ(57-)85〜122(-144)cm、幅(6.7-)11〜15(-19)cm。先は鋭頭〜鋭尖頭、中ほどが最も幅広く、基部はくさび形で全縁。質は革質で表面は黄緑色、裏面は中肋が著しく盛り上がる個体が多いが盛り上がらない個体もある。
葉柄は淡緑色で褐色を帯びることがあり、長さ(1.5-)2.6〜4(-5.5)cm。鱗片は葉柄基部で密につき、披針形〜線形、褐色〜暗褐色、長さ(4.6-)10〜16(-22)mm。
胞子嚢群は中肋寄りでほぼ中肋に接してつき、先端が中肋と辺縁の中間を越えることなく、線形で長さ(18-)22〜29(-35)mm。
- 分布・生育地 :
沖縄(沖縄島以南)、小笠原諸島 (国外:東南アジア?) 陰湿な山林内の樹幹、岩上
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2012年8月31日 沖縄県西表島 中・全体2(群生) 2010年9月11日 同 上 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・胞子嚢群1、右下・同2 2012年8月31日 同 上
- 撮影記 :
西表島の山中の沢沿い、湿度が高く少し歩くだけで汗が吹き出る。こんな場所はハブの絶好の棲家、足元に注意しながら歩く。
吹き出る汗を拭こうと立ち止まり上を見上げると、大きなシダが樹幹に着生し長い葉をいくつも垂らしている。いかにもジャングルといった光景だ。
沖縄島以北で見られるシマオオタニワタリやオオタニワタリと異なり、八重山諸島で見られるのは全てこのシダのようだ。
以前はリュウキュウトリノスシダ(A. australasicum)と呼ばれ、シマオオタニワタリとは葉の裏面(背軸側)の中肋が著しく盛り上がることが違いとされていた。
最近の研究で別種とわかったが(裏面中肋が盛り上がらない個体もあるようだ)、国外の分布状況はよく分かっていないようだ。
その他のシダ
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