ハハジマヌカボシ(母島糠星)

Neocheiropteris superficiale


ハハジマヌカボシ

  • 科名・属名 : ウラボシ科 クリハラン属

  • 特徴 :
     草丈30〜60cmの常緑性シダ。着生。
     根茎は長く這い、径約3mm、鱗片をつけ、疎らに葉をつける。
     葉は単葉、葉身は披針形で中央部が最も広くて両端に向けて次第に狭くなり、長さ20〜40cm、幅3〜5cm。先は鋭尖頭、基部はくさび形で全縁。質は薄い革質、淡緑色で光沢があり、中肋は下面に隆起し、葉脈はやや不鮮明で複雑な網状隆起脈となる。
     葉柄は緑色で基部は汚褐色、長さ10〜20cm。鱗片は全体に疎らにつく。
     胞子嚢群は葉の裏面に散在し、円形で径約2mm以下。

  • 分布・生育地 :
     小笠原諸島(母島) (国外:ヒマラヤ〜マレーシア)
     林内の岩上・樹幹

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2011年6月30日  東京都小笠原諸島
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・胞子嚢群    同  上

  • 撮影記 :
     世界遺産に登録されている東京都の小笠原諸島は、固有種や日本ではこの島しかない植物が多数ある。
     このシダもその一つで、ヒマラヤ〜マレーシアに分布しているが日本ではこの島だけで、本土や沖縄の近縁種として本種より葉柄が長いヌカボシクリハランが知られている。
     小笠原諸島を初めて訪れた時、この島の固有種や特産種を事前に調べメモを作って持っていったため、樹幹に着生していたこのシダもすぐにわかった。
     ここではクリハラン属としたが、「日本産シダ植物標準図鑑U」(海老原 淳著 学研刊)では、ヤノネシダ属(Lepidomicrosorium)とし、今後の研究を待つとしながらも、ヌカボシクリハランと同一種に含めている。

  • その他のシダ
胞子嚢群