タカノハウラボシ(鷹の羽裏星)

Selliguea engleri


タカノハウラボシ

  • 科名・属名
  • : ウラボシ科 ミツデウラボシ属

  • 特徴

  •  草丈15〜50cmの常緑性シダ。
     根茎は長く横走りし、密に鱗片をつける。
     葉身は単葉、線状披針形で長さ10〜30cm、幅1.2〜3cm。鋭尖頭で、両側は平行し基部はくさび形。質はやや硬い紙質で、縁は全縁かまれに波状縁。主脈は暗色で明瞭であるが、小脈ははっきり見えない。裏面は淡色で粉白を帯びることがあり、中肋が下面に隆起する。葉柄は紫褐色を帯びることが多く、長さ5〜20cm。
     胞子嚢群は主側脈の間に1個ずつつき、中肋の両側に1列に並ぶ。表面性で葉裏に著しく窪むことはない。

  • 分布・生育地

  •  本州(伊豆諸島、静岡県、紀伊半島、山口県)、四国、九州(中・南部)
     林内の樹幹や岩上に着生

  • 撮影月日・場所

  •  2007年8月24日  鹿児島県屋久島
     中・葉表、下・胞子嚢群   同  上

  • 撮影記

  •  シダの宝庫と言われる屋久島、シダに詳しい人ならば似たようなシダでも容易に同定できるだろうが、素人ではそうはいかない。形がはっきりと違うものや生育地が異なるものでないとなかなか同定できない。
     このシダも、形はヒメタカノハウラボシとよく似ていたが、ヒメタカノハウラボシが水辺の岩に着生するのに対し、このシダは水辺ではなく林内の樹幹で見かけることが多かった。
     自分の名前にある「鷹」の字が入っているシダだけに、何となく親近感を感じた。
     図鑑には大きいものでは葉身が30cmのものがあると記されていたが、目にする株は小さいものばかりで、そんなに大きな株は見たことがない。

    その他のシダ
葉表

胞子嚢群