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- 科名・属名 : ウラボシ科 イワヒトデ属
注.「日本産シダ植物標準図鑑」(学研刊)ではオキノクリハラン属、属名(Leptochitus)、以下変わらず
- 特徴 :
草丈25〜50cmの常緑性シダ。
根茎は長く匍匐し、径(1.8-)2.3〜2.9(-3.7)cm、やや密に褐色の鱗片をつけ、まばらに葉をつける。
葉は単葉でやや2形、葉身は披針形〜狭披針形、長さ(21-)24〜31(-38)cm、幅(1.9-)2.7〜3.7(-4.4)cm。先は鋭頭〜鋭尖頭、基部近くが幅広く、基部は急に狭くなって葉柄に広い翼となって流れ、辺縁は波状に縮れる。質は硬い紙質、緑色〜濃緑色で光沢があり、無毛。
葉柄は淡緑色、長さ(4.5-)10〜17(-20)cm。鱗片は最基部で密、それ以外では疎らにつき、卵状披針形で褐色(半透明)、辺縁は小突起縁。
胞子嚢群は先端側からつき、中肋から葉縁までの主側脈間に線になって伸び、線形で長さ(5.2-)12〜16(-19)mm。
- 分布・生育地 :
九州(南部)〜沖縄 (国外:朝鮮(済州島)、中国(南部)、台湾、ベトナム) 山地林下
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2007年3月25日 鹿児島県屋久島 中1・全体2 2022年4月15日 沖縄県石垣島 中2・全体3 2007年3月20日 同 上 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック) 中3・葉(表) 2022年4月15日 同 上 中4・胞子嚢群1 2007年4月28日 沖縄県西表島 左下・胞子嚢群2 2007年3月25日 鹿児島県屋久島 右下・根茎 2022年4月15日 沖縄県石垣島
- 撮影記 :
本州で見られるクリハランのようにすっくと立つ草姿のカッコいいシダである。
全体の姿はクリハランに似ているが、クリハランの胞子嚢群が円形〜楕円形であるのに対し、本種では線形で長いので胞子嚢群をみればすぐわかる。
長く伸びる根茎から葉をつけるため、1本だけが生えているということは少なく、何本かが近接し葉を伸ばしていることが多い。
一面群生するということはないが、沖縄でも屋久島でも林下で所々で見かける。
線形に長く伸びる胞子嚢群もわかりやすく、名前をすぐに覚えたシダの一つであるが、ヤリホノクリハランと覚えてしまい、今回アップするに当たって初めて間違いに気づいた。
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