チャボイナモリ(矮鶏稲森)Oohiorrhiza pumila |
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草丈5〜15cmの多年草。 茎は細く、下部は地を這い、まばらに枝分かれして斜上し、汚黄色の曲がった短毛が密生する。 葉は広倒披針形〜倒卵状長楕円形で、長さ2〜6.5cm、幅1〜2.5cm。先は尖り、基部は狭まって葉柄になる。裏面脈上には曲がった短毛が生える。 花は茎頂に巻散状の集散花序をつくり、柄のない花を5〜8個つける。花冠は白色、漏斗形で長さ3〜5mm。花序には苞がない。 屋久島〜沖縄 林下のやや湿った所 2005年3月19日 沖縄県石垣島 中 1989年5月3日 鹿児島県奄美大島 下 2004年3月26日 沖縄県西表島 八重山諸島では山道脇でよく見かける小さな花で、本州に分布するサツマイナモリに比べるとはるかに小さい。 ある年、前年の台風のせいで木が倒れ、葉が飛んですっかり明るくなった登山道を歩いていると、これまで見たこともないほど勢いがよく多くの花をつけているのに出会った。 暗い樹林下に生えているので明るいところが嫌いなのかと思っていたが、ある程度の明るさは必要なようだ。 下の写真は西表島の山奥のヘゴの樹上に咲いていたもので、「琉球植物誌」によれば西表にはサツマイナモリは分布せず本種ということであるが、とても同じ花に見えず、かといってナガバイナモリとも葉や植生環境などが違うし、別の種の可能性も考えられる。 同じ科の仲間の花 ![]() ![]() |
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