ヒメイヨカズラ(姫伊予蔓)

Cynanchum matsumurae


ヒメイヨカズラ1


  • 科名・属名 : ガガイモ科 カモメヅル属
     注.APGV・W分類ではキョウチクトウ科(APOCYNACEAE)、カモメヅル属(Vincetoxicum)、学名(V. atratum)

  • 特徴 :
     草丈10〜40cmの多年草。
     茎は直立し、全体に密に毛がある。
     葉は対生、楕円形〜卵形で長さ1.5〜4cm、幅1〜3.5cm。先は微凸頭、基部は円形で全縁。全体に毛が多く、裏面に著しく脈が浮き出る。葉柄は長さ1.5〜2mm。
     花は上部の葉腋からやや短い花序を出し、数個つく。花序軸はほとんど発達しない。花冠は濃褐紫色〜黄褐色で5裂し、裂片は長楕円形、長さ約3.5mm。副花冠は楕円形、内面は無毛、外面は短毛がある。
     果実(袋果)は広披針形、長さ3.5〜4.5cm、密に毛がある。種子は長さ3.5〜4.8mm、葉が1.6〜2.5mm。

  • 分布・生育地 :
     九州(奄美大島・沖永良部・与論島)〜沖縄 (国外:日本固有)
     海岸近くの草地

  • 花期 :  4〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2005年4月22日  沖縄県石垣島
     中上・全体2 2010年9月13日    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花    同  上
     中下・果実 2006年6月12日  鹿児島県奄美大島
     左下・種子 2006年12月23日  沖縄県国頭郡
     右上・葉 2005年4月22日  沖縄県石垣島

  • 撮影記 :
     ツルモウリンカによく似ていて混同されがちであるが、茎が直立し、葉も楕円形である。
     石垣島の海岸近くの草付で何度か株を見ていたが花時に会えず、4月、やっと花を見ることができた。
     イヨカズラにもよく似た草姿であるが、姫の名の通り全体に小振りである。

     2006年奄美大島を訪れたが一日中豪雨で撮影もままならなかった。
     ただ、地面に張り付くように伸びるこの花の果実の撮影には、何の支障もなかった。
     この科の植物は、果実が面白い形をしていて、花だけでなく果実に会うのも楽しみである。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ヒメイヨカズラ2

花

果実(袋果)

種子