エゾヒナノウスツボ(蝦夷雛臼壺)

Scrophularia alata


エゾヒナノウスツボ1


  • 科名・属名 : ゴマノハグサ科 ゴマノハグサ属

  • 特徴 :
     草丈90〜150cmの多年草。
     根はゴボウ状に肥大する。
     茎は太くてやや柔らかく、4稜があり稜上に狭い翼がある。
     葉は対生、葉身は広卵形〜三角状卵形、長さ8〜15cm、幅6〜9cm。先は尖り、基部は翼となって葉柄に流れ、縁には先の鈍い鋸歯があり、質は厚い。葉柄は長さ1.5〜3cmで翼がある。
     花は茎の先に円錐花序となってまばらに多くの花がつく。花柄は太く、疎らに腺毛が生える。花冠はつぼ形、先は唇形になり、長さ8〜10mm、上唇はやや紫褐色を帯び浅く2裂し、下唇は淡黄緑色で3裂する。雄しべは4個、花筒内にあり、花冠上部の中央基部に円形の仮雄しべがある。萼は鐘形、5深裂し、裂片の先は円く、緑色で縁は色が薄い。
     果実(刮ハ)は三角状卵形で、長さ7〜10mm、胞間裂開する。種子は楕円形でごく小さい。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(日本海側は石川県以北、太平洋側は岩手県北部以北) (国外:ロシア(千島列島(南部)、サハリン(南部))
     海岸の岩礫地

  • 花期 :  6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 1983年7月18日  北海道礼文島
    中上・全体2 1990年7月8日  北海道小樽市
    (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
    中下・花序 1983年7月18日  北海道礼文島年月日  
    左下・花 2014年7月10日  北海道知床半島
    右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     ヒナノウスツボの仲間は花のアップを見ると面白い形をしている。
     ただ、どれもよく似ているうえに、草丈の割りには花が小さく、咲いていても気がつかない。
     この花は海岸の礫地に生えることや萼片の先が円いのが特徴で、礼文島の海岸には割合に多く見られる。
     しかし、観光客は目立つトウゲブキエゾゼンテイカ等の花に気をとられ、大体は見逃している。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
エゾヒナノウスツボ2

花序

花