イヌドウナ(犬唐菜)

Cacalia hastata var. tnakae


イヌドウナ1


  • 科名・属名 : キク科 コウモリソウ属
     注.APG分類では、コウモリソウ属の学名は(Parasenecio)となり、本種の学名は(P. aidzuensis)

  • 特徴 :
     草丈50〜200cmの多年草。
     根茎は短く横走〜斜上する。
     葉は互生、茎葉の葉身は三角状腎形、大きいものは長さ20cm、幅35cmになる。先は短く鋭尖頭、基部は多少心形、縁には不揃いな鋸歯がある。葉柄は広い翼があり、大きく耳状に茎を抱くか時にごく小さな耳となり、葉鞘は円筒状にならない。
     頭花は円錐状につき、全て両性の筒状花からなる。1頭花あたり8〜9個の小花からなる。総苞は狭筒形、長さ7〜8mm、総苞片は6〜8個。
     果実(痩果)は円柱形、長さ約6mm。冠毛は白色、長さ6〜7mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(東北〜関東地方北部) (国外:日本固有)
     夏緑林の林内、林縁

  • 花期 :  7〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2008年8月3日  群馬県尾瀬
     中上・全体2 2023年9月18日  宮城県仙台市
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序、以下全て(右中・葉2除く)    同  上
     右中・葉2(・葉柄) 2008年8月3日  群馬県尾瀬

  • 撮影記 :
     センダイトウヒレンを探しに出かけた仙台市の山、登山道際に草丈が低いコウモリソウの仲間の花が咲いていた。
     葉柄に翼があり、基部が大きく茎を抱いていたので、小さなヨブスマソウかと思って撮影した。
     帰って調べると、最新の改訂新版「日本の野生植物5」(平凡社刊)では、ヨブスマソウの分布が以前の本州(関東地方以北)から北海道だけとなっていて、本州北部のヨブスマソウ類は新しくいくつかの種に分けられていた。
     それらの特徴や分布域を総合的に考慮して本種と判断したが、典型的なものはもっと大型になり、ホンナとかポンナと呼ばれ、代表的な山菜の一つである。

  • 葉1(・葉柄)

    葉2(・葉柄)

    葉基部

    同じ科の仲間の花
イヌドウナ2

花序

花