オヤマボクチ(雄山火口)

Synurus pungens


オヤマボクチ

  • 科名・属名 : キク科 ヤマボクチ属
     注.APG分類では、学名(S. pungens var. pungens)

  • 特徴 :
     草丈1〜1.5mの多年草。
     茎は太く紫色を帯び、クモ毛があり、上部で枝分かれする。
     根出葉は花時には枯れ、下部の茎葉は卵状楕円形〜卵形、長さ15〜35cm。先は円頭〜鈍頭、基部は心形、縁には欠刻状の鋸歯がある。裏面には白いクモ毛が密生して白く、時に褐色。葉柄は長さ5〜20cm。
     頭花は長い柄の先に下向きに咲き、径3.5〜5cm。花冠は紫褐色〜暗紫色で、長さ17〜21mm。総苞は球状鐘形、径約3cm、クモ毛がある。総苞片は中部で幅1.5〜2mm、先端は刺になる。
     果実(痩果)は楕円形、長さ約6mm、冠毛は長さ約16mmで褐色。

  • 分布・生育地 :
     北海道(西南部)、本州(岐阜県以北)、四国、九州 (国外:日本固有)
     山地の日当たりのいい乾いた草原

  • 花期 :   9〜11月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 1995年10月1日  長野県南佐久郡
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中上・花序1 2005年9月2日  山梨県南アルプス市
     中下・花序2 2017年9月24日  東京都八王子市
     左下・花 2014年9月23日  新潟県新潟市
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     一見すると紫褐色のフジアザミと見えないこともない大きな花をつける。ただ、フジアザミには鋭い刺があるのに対し、この花の葉は卵円状で刺はなく、アザミの仲間ではないことがわかる。
     よく似たハバヤマボクチとは、下部の葉の形が異なっているので見分けられるが、この花の方がよく出会う。
     ボクチ(火口)とは、昔火起こしをするため植物の葉裏の綿毛を使い、これをホクチ(火口)と称したが、この花の葉裏に綿毛が密生することから和名とされている。

  • 葉

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花序1

花序2

花