エゾワサビ(蝦夷山葵)

Cardamine fauriei


エゾワサビ1

  • 科名・属名 : アブラナ科 タネツケバナ属
     注.APG分類では、学名(C. yezoensis)

  • 特徴 :
     草丈20〜50cmの多年草。
     根茎は細くて地を這い、茎を立ち上げる。
     茎は直立〜斜上し、分枝し紫色を帯びることが多く、無毛。
     葉は3〜5個の奇数羽状複葉で、長さ5〜12cm、葉柄がある。頂小葉は特に大きく、卵円形で径4〜5cm、基部は円形〜心形、縁には円形〜三角状の低鋸歯がある。側小葉は1〜2対、小さくて円形〜広披針形と多形。地を這う茎につく葉は単葉、楕円形〜卵円形、上部は深く切れ込む。
     花は7〜12cmの総状花序に多数つき、白色で径1〜1.2cm。花弁は4個、倒卵円形、長さ7〜9mm。萼は長楕円形、長さ3〜4mm。雄しべは6個。
     果実(長角果)は線形、長さ1.5〜2cm、幅1〜1.2mm。種子は卵形で淡褐色、長さ1.5〜2mm。

  • 分布・生育地 :
     北海道、本州(北部) (国外:サハリン、ウスリー)
     山地の水湿地

  • 花期 :   5〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1992年5月24日  北海道中川郡
     中上・全体2 1991年5月22日  北海道岩内郡
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 2007年5月12日  北海道礼文島
     左下・花    同  上
     右下・葉 1991年5月22日  北海道岩内郡

  • 撮影記 :
     テシオコザクラを探しに出かけた道北の沢、背丈を越えるアキタブキを掻き分けながら進むも、今にもヒグマが出てきそうな嫌な雰囲気。少し開けた明るい場所に出てホッとした。その水辺で白い花を咲かせていた。
     名前からすると薬味のワサビと同じ属のように思えるが、本種はタネツケバナ属で異なっている。葉や茎にワサビのような辛味があるので名付けられたようだ。ワサビ同様食用になる。
     また、この花とアイヌワサビを同一種としている図鑑もあるが、本種の葉は単葉または3〜5個で、複葉の場合は頂小葉が特に大きく、小葉の大きさが同一のアイヌワサビと異なり、草丈も本種のほうが小さい。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
エゾワサビ2

花序

花