ミヤコジマハマアカザ(宮古島浜藜)

Atriplex maxmowicziana


ミヤコジマハマアカザ1

  • 科名・属名 : アカザ科 ハマアカザ
     注.APG分類では、ヒユ科(AMARANTHACEAE)(アカザ科はヒユ科に統一された)。属名以下変わらず。

  • 特徴 :
     高さ30〜50cmの多年草〜半低木。
     茎の基部はよく這って木質化し、上部は斜上〜やや直立する。全体に白粉を密につけ灰白色に見える。
     葉は互生、葉身は三角状卵形〜菱形状卵形で、長さ2〜4cm、幅1〜2.2cm。基部はくさび形で、縁は1対稀に2対の鋸歯があるか全縁。両面に灰白色の微細な鱗状毛を密生する。葉柄は長さ1〜3cm。
     花は雄花と雌花からなる頂生の穂状花序になり、葉腋にも雌花が団集状に着く。頂生花序は長さ(1.5〜)3.5〜4cm、径(0.7〜)1〜1.6cm。雄花の花被片は長楕円状卵形、長さ0.4〜0.6mm。雄しべは花被片とほぼ同長、葯は橙黄色。雌花は2個の小苞に包まれ、小苞は果時には大型化し、広卵形〜三角形、長さ幅とも6〜9mm。
     果実(胞果)は小苞の中部以下が合成して包み込み、上部の縁には少数の歯牙があり、先端は鈍く、表面は平滑か不規則な突起がある。種子は赤褐色で卵球形、径2〜2.2mm、厚さ0.4〜0.5mm。

  • 分布・生育地 :
     九州(沖永良部島以南)〜沖縄 (国外:中国(福建省)、台湾
     海岸

  • 花期 :   2〜5月?

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2010年3月18日  沖縄県宮古島
     中上・全体2 2021年3月16日    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・雄花1、左下・果実 2010年3月18日    同  上
     中下・雄花2 2021年3月16日    同  上
     右上・葉表、右中・葉裏、右下・茎    同  上

  • 撮影記 :
     隆起珊瑚礁の岩上を、前回同様、青白い葉をしたこの花が覆っていた。
     三角状菱形の小苞に包まれた面白い形をした果実が目立つ。良く探すとやっと小さな花が見つかった。
     八重山諸島の一つ宮古島は、昔は水没した時期があったせいか、石垣島や西表島に比べると植物の種類が少なく、hanamistにはやや物足らない島である。
     花は多くないが、コバルトブルーの海の美しさには感動する。大きな河川がないせいか、他の島で見られるような赤土の流入が少なく、海の碧さが保たれているようだ。
     それに、数少ないが、ミヤコジマソウミヤココケリンドウなど、この島の名を課した花もあり、海を眺めついでに一度は訪れてみたい島である。

  • 葉(表)

    葉(裏)

    茎

    同じ科の仲間の花
ミヤコジマハマアカザ2

雄花1

雄花2

果実(胞果)