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- 科名・属名 : バラ科 キジムシロ属
注.APGV分類では、エゾツルキンバイ属(Argentina)、学名(A. anserina)
- 特徴 :
つるになる多年草。
茎は細く、長く這う走出枝を出し、節から発根する。
葉は長さ20〜40cmの奇数羽状複葉、13〜19個の小葉からなり、しばしば小さな付属小葉片を小葉の間につける。小葉は卵形〜狭楕円状長楕円形、長さ2〜5cm、幅0.7〜2cm。縁に粗い鋸歯がある。表面は無毛か長い毛が生え、裏面は白い綿毛が密生する。葉柄は4〜6cm、有毛。托葉裂片は合着し、卵形〜披針形の耳形となり、薄膜状。
花は走出枝に単生し、径1.5〜2.5cm。花柄は長く、長さ10〜20cmで有毛。花弁は5個、黄色、広倒卵形で長さ7〜12mm、全縁。萼は5個、萼片は三角状卵形、長さ4〜6mm、鋭頭で外側には密に毛が生える。副萼片は広披針形で全縁、つき、長い柄の先につき、黄色で径2〜3cm。外側に密に毛が生え、萼片よりわずかに小さい。雄しべは20個、葯は卵形。雌しべは多数。
果実(痩果)は平滑。
- 分布・生育地 :
北海道〜本州(東北地方、新潟・石川県) (国外:ユーラシア〜南北アメリカ) 海岸、塩湿地
- 花期 : 6〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1992年7月5日 北海道根室市 中・全体2 1990年6月23日 同 上 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・花 1992年7月5日 同 上 右下・葉 1991年7月23日 同 上
- 撮影記 :
道東の海岸地帯に固有種を撮影に出かけた時、海岸端の湿地でこの花を見つけた。
この地域は、アリューシャンから千島列島に続く植物の南端にあたり、他の地域と同じように見える花も、シコタンキンポウゲやシコタンタンポポなど変種となっているものが多い。
この花も分布していることを知っていたが、鮮やかな黄色の花と濃緑色の葉は思っていたよりはるかにインパクトがあり、すぐに本種だとわかった。
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