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- 科名・属名 : バラ科 キンミズヒキ属
注.APG分類V、Wでは、学名(A. pilosa var. viscidula)
- 特徴 :
草丈50〜100cmの多年草。
根茎は肥厚し、茎は毛が多く、よく分枝する。
葉は奇数羽状複葉で5〜7小葉が等間隔につき、小葉の葉身は菱状長楕円形〜菱状倒卵形で、頂小葉は長さ3〜6cm。先は尖り、縁には尖った粗い鋸歯がある。葉の裏は脈上に毛があり、全体に多くの白色または帯黄色の腺点がある。托葉は半卵形で小さく、内側に反曲し、先が尖る。
花は花穂に密集して多数つき、黄色の5弁花で径7〜10mm、花弁は倒卵形〜狭倒卵形で大きく、長さ3〜6mm、幅1.5〜2mm。雄しべは8〜15本。萼片は5個。
花後萼筒が集合し、果時には花床筒は倒円錐径で短毛があり、5条の高い縦肋があり、長さ5〜6mm、径4〜5mm、上縁には長さ約3mmの上向きの鉤状の刺がある。果実(痩果)は1〜2個、花床筒の中にある。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国、インドシナ、サハリン、ウスリー) 山野
- 花期 : 7〜10月
- 撮影月日・場所 :
上・全体 1997年9月27日 神奈川県逗子市 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中上・花 2016年10月12日 神奈川県箱根 中下・果時の萼筒 2017年9月13日 東京都八王子市 左下・葉 2016年10月12日 神奈川県箱根 右下・茎 同 上
- 撮影記 :
タデ科のミズヒキは赤と白の花をつけ「水引」の名も納得できるが、この花は金色(黄色?)の水引のイメージは全く感じられない。
盛夏の頃から山野、丘陵などいろいろな場所でごく普通に目にする花であまり印象に残らない。
花よりも、花後萼が集合し倒円錐状になり、その縁が鉤になって(中下の写真)ズボンの裾などにくっつく「ひっつき虫」の印象のほうが強い。
キンミズヒキ属の仲間はどれも似ているが、この花は大きくて密集してつき、小葉の数が多く鋸歯が鋭く尖っている。このためヒメキンミズヒキやチョウセンキンミズヒキの2種と比較すると優しさより強さが感じられる花である。
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