ナガサキマンネングサ(長崎万年草)

Sedum nagasakianum


ナガサキマンネングサ1

  • 科名・属名 : ベンケイソウ科 マンネングサ属

  • 特徴 :
     草丈15〜25cmの多年草。
     茎の基部は長く這い、普通上部で斜上する。時に岩上から垂れ下がる場合もある。
     葉は互生し、倒披針形、長さ1〜2.5cm、幅3〜7mm。鈍頭で基部は明らかな柄状とならない。全体に白みを帯び、淡緑色で無毛。
     花は茎頂に集散状になって多数つき、花弁は5個、濃黄色で長さ(4-)6〜7mm。基部で0.5〜1mmほど合生し、披針形で先は鋭頭、尾状、開花時は平開する。萼は長さ3〜4mm、基部でわずかに合生し、裂片は広線形〜長円形、円頭〜鈍頭で花時斜上する。花柄は長さ1〜2cmと短い。
     雄しべは花弁より短く、裂開前の葯は橙赤色。蜜腺は倒卵状四角形で乳白色。雌しべは5〜7mm。子房は長さ3.5〜4.5mm、基部は合生する。花柱は長さ1〜1.5mm。
     果時には各心皮の腹側が膨らみ、著しく斜開し、真上からは星状に見える。

  • 分布・生育地 :
     九州(西部〜南部) (国外:日本固有)
     海岸付近の岩上

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2017年6月16日  長崎県平戸市
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     海岸沿いを走る道路の法面、岩場にこの花が張りつき、咲き始めた花が遠くからでも黄色に見えた。
     近くには同じ仲間のタイトゴメも生えていた。
     マンネングサ(Sedum)の仲間は2十数種あるが、どれもよく似ていて同定が難しい。
     この花は、自生地が海岸近くの岩場であることでハママンネングサに似るが、葉身は倒披針形で白みを帯び、基部が柄状にならないこと、花茎の基部がやや長く這って上部で斜上すること、花柄が短いなどが相違点とされている。
     また、ハママンネングサの分布域は九州南部〜沖縄で長崎は入っていないので本種としたが、検索表の記述とは少し異なる点もあるように感じた。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ナガサキマンネングサ2

花序

花