トウグミ(唐茱萸)

Elaeagnus multiflora var. hortensis


トウグミ1


  • 科名・属名 : グミ科 グミ属

  • 特徴 :
     高さ2〜4mの落葉低木。
     樹皮は黒褐色、本年枝には褐色〜赤褐色の鱗状毛が密生する。
     葉は互生、葉身は楕円形〜長楕円形、長さ3〜8cm、幅1〜3cm。先は鈍頭、基部はくさび形、縁は全縁で少し波打つ。表面は若いうちは星状毛があるが後に脱落、裏面は銀色の鱗状毛が密生し、褐色の鱗状毛が混じる。葉柄は長さ5〜10mm。
     花は葉腋に1〜3個垂れ下がってつき、淡黄褐色。萼筒は円筒形で子房の上部に括れがあり、長さ7〜8mm、幅2〜3mm、先は4裂し、裂片は大きい。
     果実(偽果)は長楕円形、長さ1.5〜2cm、6〜7月に紅熟する。

  • 分布・生育地 :
     北海道(渡島半島)、本州(近畿地方以北の日本海側〜東海地方(除く福島県〜静岡県の太平洋側) (国外:日本固有)
     山地の林縁、林内

  • 花期 :  4〜6月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体 2025年5月16日  新潟県南魚沼市
    中1・全体2    同  上
    中2・全体3(植栽) 2016年4月18日  神奈川県川崎市
     (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック)
    中3・花序 2025年5月16日  新潟県南魚沼市
    中4・花    同  上
    中5・果実(偽果)1 2018年6月8日    同  上
     (中5は拡大写真あり、写真をクリック)
    左下・果実2    同  上
    右上・葉表(星状毛) 2025年5月16日    同  上
    右中・葉裏(鱗状毛)、右下・葉裏脈上    同  上

  • 撮影記 :
     コシジシモツケソウを探しに訪れた新潟県の山、急な斜面を登っていくと蕾は見つけたものの開花にはまだしばらくかかりそうだった。
     ちょっとガッカリして戻る途中、真赤に熟したグミの実を見つけた。
     日本海側なのでひょっとしたらと葉表の鱗片をルーペで見ると、星状毛が点在していて本種であることが確認できた。
     分布域は非常に変わっていて、近畿地方以北に分布するものの、福島県〜静岡県の太平洋側には分布しておっらず、代わりにこの地域ではナツグミが分布している。
     ただ、関東辺りの太平洋側でも庭木として植えられているものが多く、川崎市の自然公園に咲いていたグミ(中2の写真)もこの花だった。
     当初は花の写真がなく植栽の花を載せていたが、数年後果実を見つけた新潟県の山に3週間ほど早い時期に出かけ、予想通り花の時期でやっと自生を撮影できた。

  • 葉表(星状毛)

    葉裏(鱗状毛)

    葉裏(脈上)

    同じ科の仲間の花
トウグミ2

トウグミ3(植栽)

花1

花2

果実1

果実2