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- 科名・属名 : フウロソウ科 フウロソウ属
- 特徴 :
草丈30〜80cmの多年草。
茎の基部は倒伏し、下向きの伏毛が生える。
根出葉は長い葉柄がある。
茎葉は葉身は5角形、長さ、幅とも5〜10cm。掌状に5深裂し、裂片は菱状倒卵形、1〜3回3中裂し、裂片は細長い。表面には短い伏毛が、縁や裏面脈上には密に毛がある。托葉は褐色で膜状、離生または合生する。
花は集散状で頂生し、紅紫色で径2.5〜3cm、花弁は5個、縁と内面に白い軟毛が密生する。葯は青紫色〜淡紅紫色。花柱は5個、合生部(平行して伸びる部分)と反曲して離生する先端部分(花柱分枝)があり、花柱分枝は長さ4〜5mmで合生部より長い。萼は長さ1〜1.2cm、花弁より短く、5〜7脈がある。
果実(分果)は5個、花柱分枝を含め長さ約3cm、果体には開出する長毛と細毛が、嘴には細毛が密生する。分果は成熟すると嘴の上端を中軸につけたまま果体から外反し、巻き上がって裂開する。
時に花の白いものがあり(左下の写真)、
●シロバナハクサンフウロ(f.ochroleucum)という。
- 分布・生育地 :
本州(中部地方以北) (国外:日本固有) 高原や高山の草地
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1980年7月23日 長野県霧ケ峰 中上・全体2 2011年8月21日 山形県月山 中下・花 2018年7月20日 長野県美ヶ原 右下・シロバナ 1985年8月3日 長野県白馬岳 (上、中上、左下は拡大写真あり、写真をクリック) 右下・葉 2018年7月20日 長野県美ヶ原
- 撮影記 :
和名は白山であるが、白山の特産種ではなく、本州中部以北の夏の高原や高山の草原で鮮やかなピンク色の花をごく普通に見せてくれ、夏の高山のお花畑を飾る主役の一つである。
学名にnipponicumとあるように日本特産種で、日本アルプスの高山の草原に咲くピンク色のフウロソウの仲間はこの花しかないから、見誤ることはないだろう(高度の少し低い高原には、アサマフウロやタチフウロがある)。
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