イブキフウロ(伊吹風露)

Geranium yesoense var. lobatodentatum


イブキフウロ1

  • 科名・属名 : フウロソウ科 フウロソウ属
     注.APG分類では、学名(G. yesoense var. hidaense)

  • 特徴 :
     草丈30〜60cmの多年草。
     茎は基部で倒伏し、全体に毛が少ない。
     根出葉は花時にも枯れず、長い葉柄がある。茎葉の葉身は5角形、幅5〜10cm、掌状に5深裂し、裂片は菱状倒卵形でさらに3中裂する。表面には短い伏毛が、縁や裏面脈上には密に粗い毛がある。托葉は膜状で褐色、離生または合生し、長さ5〜8mm。
     花は茎頂や枝先につき、紅紫色で、径2.5〜3cm。花序柄と花柄には下向きの屈毛が生える。花弁は先が切れ込み(伊吹山の花のみ)、縁と内面の基部には白い軟毛がある。雄しべは10個、葯は青紫色〜淡紅紫色。萼片は舟形、披針形で先は芒状に尖り、外側には開出毛が散生する。
     果実は分離果、分果は5個あり、長さ約3cm。
     ハクサンフウロとは変種関係にあり、萼片の開出毛の密度が薄く、全体的にも毛が少ないのが特徴である。

  • 分布・生育地 :
     本州(群馬・長野・岐阜・滋賀県) (国外:日本固有)
     亜高山の草原

  • 花期 :  7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 1987年8月9日  滋賀県伊吹山
     中・全体2、下・花    同  上
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     伊吹山にはイブキノエンドウイブキトリカブトなどここで見つけられ、イブキの名がついた植物が多い。
     本種もそのひとつで、山頂草原に花弁の先が切れ込んだピンク色の花(伊吹山以外では花弁は切れ込まず全縁とのこと)が点々と見られる。
     全体に毛が少ないのが特徴で、分布は群馬・長野・岐阜・滋賀県で見られるが、毛の多いハクサンフウロもすぐ近くで見られることも多い。

  • 同じ科の仲間の花
イブキフウロ2

花