シマサクラガンピ(島桜雁皮)

Diplomorpha yakushimensis


シマサクラガンピ

  • 科名・属名 : ジンチョウゲ科 ガンピ属
     注.APG分類では、学名(D. pauciflora var. yakushimensis)

  • 特徴 :
     高さ2〜3mの落葉低木。
     幹は直立または上部がやや下垂し、今年枝は有毛。
     葉は2列状に互生、前後の葉が重なって見える。葉身は披針形〜卵形、長さ1〜7.5cm、幅1〜4.5cm。先は鋭尖頭で基部は円形〜鈍形、全縁。質は紙質、両面のともに伏毛がある。葉柄はごく短い。
     花は今年枝の上部がやや密に分枝し、多数の穂状花序が広円錐状につく。花は両性で黄緑色、萼筒は長さ8〜9m、先は4裂し、裂片は卵形で長さ2〜2.5mm。萼筒の外側には毛を密生する。雄しべは小さい。子房は倒卵状長楕円形で長毛を密生し、下部は短い柄になる。柱頭は小球形。
     果実(乾果)は狭卵形、長さ約3mm。長毛があり萼筒に包まれる。
     別名 シマコガンピ

  • 分布・生育地 :
     四国(徳島、高知県)、九州(大分県以南、甑島、屋久島)
     山地(標高1200m以下)の向陽の斜面、林内

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2019年7月10日  大分県佐伯市
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     大分県南部の山中、以前6月に訪れた時、斜面や岩場に多数のケイビランの株を見付け、花時には素晴らしいだろうと再訪した。
     予想通り岩場にケイビランの花が群生し見事な光景だったが、小さな花がこういう状態で咲いているのは写真に撮り難い。
     場所や角度を変えながらいい被写体を探していると、黄緑色の小さなこの花に出あった。
     キガンピとも様子が異なる。地元の花仲間に聞くと本種とのこと。
     和名のように島(屋久島)で見つけられ、そこにしかないと思っていただけに、勘違いを反省するより花を見られた喜びの方が大きかった。

  • 葉(表)

    葉(裏)

    同じ科の仲間の花
シマサクラガンピ2

花1(正面)

花2(萼筒)