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- 科名・属名 : キンポウゲ科 イチリンソウ属
注.APG分類では、学名(A. pseudoaltaica var. pseudoaltaica)
- 特徴 :
草丈10〜30cmの多年草。
根茎は円柱状で時に分枝して水平に伸び、長さ5〜10(〜15)cm、明〜暗褐色。
根出葉は1個、2かい3出複葉、小葉は菱形〜卵形〜広卵形で3深裂し、長さ1〜7cm、幅1〜5.5cm。葉柄は長さ5〜10cm。茎葉は3個、輪生し、3全裂、小葉は3浅裂〜羽状に裂ける。葉柄は長さ0.5〜2cm。
花は茎の先に1個つき、径2.5〜4cm。花柄は長さ2〜9cm。花弁状の萼片は8〜13個あり、白色〜濃青紫色まで変化が多く、楕円形で円頭、長さ1〜2.5cm、幅2〜5mm、背面は多少とも紅紫色を帯び、無毛。雄しべは多数あり、長さ5〜8mm、葯は白色、長さ約1mm、花糸は線形。雌しべも多数ある。
果実は集合果となり、やや球形、径約10mm、果托に開出毛がある。果実(痩果)は狭卵形、長さ約5mm、斜上毛が密生し、柱頭は長さ約1mm、細くて長く、わずかに曲がるか強く鉤状に曲がる。
別名 キクザキイチリンソウ
花色や葉に変化の多い植物で、
花や葉が全体に小型になり、茎葉の小葉が披針形になるものを、
●コキクザキイチゲ(f. gracilis)(右中の写真)という。
そのほか、花が八重咲きになるものがあり、
●ヤエノキクザキイチゲ(仮称)(学名未定)(右上の写真)とした。
また、花が緑色になるものがあり、
●ミドリキクザキイチゲ(仮称)(学名未定)(左下の写真)とした。
- 分布・生育地 :
北海道〜本州(兵庫県以北) (国外:朝鮮) 落葉広葉樹林の林下や林縁、時に草原
- 花期 : 3〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1(青・白混生) 1997年3月29日 新潟県佐渡ヶ島 中1・全体2(青色) 1984年5月5日 茨城県筑波山 中上・全体3(白色) 1991年5月22日 北海道岩内郡 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック) 中3・花1(淡青色) 2025年5月16日 新潟県南魚沼市 中2・(濃青紫色) 1986年5月18日 新潟県佐渡島 中5・花3(ピンク色) 1986年4月6日 同 上 中6・(花弁細い) 2010年5月24日 北海道旭川市 左下・緑色花 1990年4月26日 北海道函館市 (左下は拡大写真あり、写真をクリック) 右上・ヤエザキ 1979年4月15日 三重県藤原岳 右中・コキクザキ 1997年5月4日 神奈川県箱根 (右上、右中は詳細写真あり、写真をクリック) 右下・葉 2025年5月16日 新潟県南魚沼市
- 撮影記 :
アズマイチゲに良く似ているが、アズマイチゲは葉が垂れるのに対し本種はピンと張っている。
また、花色も白だけのアズマに比べ白から濃青紫色まで色々あり(中3〜中6)、時には上の写真のように本種の白と青の両方が混生している場合もある。
太平洋側では白や淡青色のものが多いが、雪の多い地方では青色や濃色のものが多く、見事な群落が所々で見らる。
特に、佐渡ヶ島では青色の濃い花や群落があちこちで見られた。



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