サダソウ(佐多草)

Peperomia jaonica


サダソウ1

  • 科名・属名 : コショウ科 サダソウ属

  • 特徴 :
     草丈10〜30cmの多年草。
     茎は叢生し、円柱状で節があり、直立して上部で分枝し、短い軟毛に覆われる。
     葉は輪生、葉身は倒卵状楕円形、長さ1〜4.5cm。先は鈍頭、質は多肉質で、短い毛に覆われる。短い葉柄がある。
     花序は長さ2〜4cm細長い円柱状の肉穂となり、帯緑色で、平滑な軸面の多数の花を散在する。花は小型で小さく無柄、花被はなく、雄しべは2個で子房の両側にあり、花粉は白色。子房は1個、球形に近く、胚珠は1個、柱頭は頂生し、花柱はない。苞は楯状で小さく、無毛で花後も残る。
     果実(液果)は小型で乾燥し、表面に多数の小粒点がある。種子は1個で球形。

  • 分布・生育地 :
     四国、九州、沖縄 (国外:台湾)
     海岸の岩場

  • 花期 :   2〜4月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2004年3月5日  沖縄県国頭郡
     中上・全体2 2019年4月3日    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 1994年3月20日  鹿児島県奄美大島
     左下・花 2019年4月3日  沖縄県国頭郡
     右下・葉 2006年12月23日    同  上

  • 撮影記 :
     四国以西の海岸近くの岩場に見られるが、沖縄では山地の隆起さんご礁の岩場などでも見かけた。
     日本のコショウ科の仲間は、フウトウカズラと小笠原にあるタイヨウフウトウカズラの3種だけである。
     いずれも穂状の花穂に目立たない花をつけるが、フウトウカズラの花が垂れ下がって咲くのに対し、この花は花穂を上に伸ばして咲く。
     和名の由来は鹿児島県の佐多岬からきているが、読み方はサタではなくサダになっている。
     その後、大東諸島でケナシサタソウを見た。違いは葉に毛がないこととであるが、本種の葉の毛については確認したことがなかった。
     そのつもりでいたところ、再び沖縄で出会ったので葉に注意したところ、下の写真のように確かに短い毛が生え、触るとザラザラしていた。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
サダソウ2

花序

花