ヤエヤマネコノチチ(八重山猫の乳)

Rhamnella franguloides var. inaequilatera



  • 科名・属名 :
     クロウメモドキ科 ネコノチチ属
     注.APG分類では、学名(Rhamnella inaequilatera)

  • 特徴 :
     高さ5〜10mの落葉小高木。
     枝は灰褐色で皮目が著しい。
     葉は互生し、葉身は長楕円形〜倒卵状長楕円形、長さ5〜13cm、幅3.5〜3.5cm。先は尾状鋭尖頭、基部は不相称の、縁には鈍い細かな鋸歯がある。側脈は7〜10対、縁には達しない。葉柄は長さ1〜1.5cm。
     花は葉腋に5〜7個つき、黄緑色で径3.5mmと小さい。萼片は三角形で直立し、花弁は小さくさじ形で両側から内に巻き雄しべを抱く。
     果実(核果)は長楕円形で長さ5〜6mm、初め黄赤色から後に黒熟する。

  • 分布・生育地 :
     九州(奄美大島以南)〜沖縄 (国外:日本固有)
     山地林内(石灰岩地に多い)

  • 花期 :   5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     2016年5月日  沖縄県うるま市
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・花序、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     沖縄県中部の城址跡、この時期なら木本類の花が見られるだろうと立ち寄ってみる。
     いつもの花見なら目的地に直行するのだが、今日は時間がなくゆっくりと近場で観察だ。
     沖縄の城址は小高い丘に作られたものが多く、隆起石灰岩で作られた岩場はごつごつしている上に縁が鋭く、気をつけて手を突かないと切ってしまうことがある。
     注意しながら観察すると、この樹やオキナワテイカカズラサクラランなどが見られた。
     本土に分布するネコノチチとは、葉の基部が一層ゆがんで不相称であること、葉の鋸歯がより鈍いこと、果実(核果)の長さが短いことなどが違いとされている。

  • 葉

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花序

花