フジボグサ(藤穂草)

Uraria crinita


フジボグサ1

  • 科名・属名 : マメ科 フジボグサ属

  • 特徴 :
     草丈30〜150cmの多年草。
     茎は直立し、全体に毛が多い。
     葉は5〜7個の小葉からなり、小葉は楕円形〜楕円状長楕円形で、長さ8〜12cm、幅3〜7cm。先は鋭頭〜鈍頭、基部は円形または浅心形。表面はほぼ無毛で中肋上に鉤毛が疎らにあり、裏面は脈上にやや密に生える。裏面では7〜8対ある側脈が目立つ。葉柄は6〜10cm。
     花は茎頂に偽総状花序となり、長さ20〜40cmの円筒状の花穂に密に花をつける。花は淡紅紫色〜青紫色、長さ7〜8mm。花序軸には開出する長白毛と短い鉤毛が密生する。苞は狭卵形、長さ1〜2cm。花柄は長さ8〜13mm、花時は斜上するが、花後はさらに上向きに湾曲する。
     果実(節果)は3〜7個の小節果からなり、小節果は長さ約3mm、幅約2.5mm。種子は腎臓形、長さ約2mm、幅約1.5mm。

  • 分布・生育地 :
      沖縄(八重山諸島) (国外:台湾、中国、東南アジア、インド)
     日当たりのいい草地、道端

  • 花期 :   5〜8(−10)月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2004年10月2日  沖縄県西表島
     中上・全体2 2004年7月9日    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 2004年10月2日    同  上
     左下・花 2017年9月6日  沖縄県石垣島
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     とうもろこしの食べ殻のような30cm以上もある花序に、淡紅紫色のマメ科独特の蝶型の花がびっしりと付いていた。
     花穂の長い藤の花に感じが似ていることからフジボクサ(藤穂草)と名づけられたと言われている。クズの花に似た感じはあるが、本土にはないタイプだ。
     ピークは5〜6月頃と思われ、その頃には注意しているとあちこちでお目にかかることができる。運転中でも道路際の花が目にとまる。
     この仲間は他に3小葉のオオバフジボグサや、葉の細いホソバフジボグサの記録があるが、どちらもごく稀な種のようだ。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
フジボグサ2

花序

花