ヒゴイカリソウ(肥後碇草)

Epimedium grandiflorum var. higoense


ヒゴイカリソウ1


  • 科名・属名 : メギ科 イカリソウ属

  • 特徴 :
     草丈20〜40cmの多年草。
     葉は夏緑性で、大部分が3回3出以上で、小葉は卵形で小さい。縁には刺状の毛があり、裏面だけでなく表面に開出する細毛がある。
     花は茎頂に頂生し総状、時に分枝して円錐状になる。花弁は4個、白色で長さ15〜25mmの距がある。萼片は8個、2輪に並び、外の4個は小型で早落性、内側の4個は花弁状。雄しべは4個、雌しべは1個。
     果実(袋果)は大きさの違う2片に割れる。
     近畿地方〜四国に分布するヤチマタイカリソウと同種とする考え方もある。(改訂新版「日本の野生植物2」(平凡社刊)では変種として分けている。)

  • 分布・生育地 :
     九州(熊本・大分県) (国外:日本固有)
     山地の林縁

  • 花期 :  4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2010年4月24日  熊本県阿蘇
     中上・全体2 2010年5月8日    同  上
     中下・全体3 2010年4月24日 大分県久住高原
     (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花 2010年4月24日  熊本県阿蘇
     右下・葉 2010年4月24日 大分県久住高原

  • 撮影記 :
     野焼きで真っ黒くなった大地、まだ伸びきらぬ植物の中で淡緑色の葉を広げているのは、気の早い春の花だけ。一際目立つ草姿(といっても30cm位なもの)、錨のような白い花を咲かせているのはこの花だ。
     阿蘇をはじめ九州中部に稀に生育しているが、草原でよく見かけるのは草丈も花も2回りくらい小さく、花弁に距のないバイカイカリソウが多く、この花は沢沿いや窪地など少し湿り気のあるような林縁でないと見かけない。
     葉の両面に開出毛のあるのが特徴とされるが、ヤチマタイカリソウとの連続性があることから。別種としない考え方もある。

  • 葉

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花