イカリソウ(碇草)(狭義)

Epimedium grandiflorum var. thunbergianum


イカリソウ1


  • 科名・属名 : メギ科 イカリソウ属

  • 特徴 :
     草丈20〜40cmの多年草。
     葉は1〜3回3出複葉で、小葉はゆがんだ卵形〜卵形、長さ3〜10cm、幅2〜6cm。先は次第に細まって鈍頭〜鋭頭、基部は心形、縁には刺状の毛がある。生長し葉の表面は無毛、裏面には開出する刺毛がある。
     花は総状につき、下を向いて咲く。花弁は4個、紅紫色〜白色、基部には1〜1.5cmの距がある。萼片は8個、2輪に並び、外の4個は小型で早落性、内側の4個は花弁状。雄しべは4個、雌しべは1個。
     果実(袋果)は大きさの違う2片に割れる。
     白い色の花を、
     ●シロイカリソウ(シロバナイカリソウ)(f. humile)(左下の写真)という。

  • 分布・生育地 :
     北海道(渡島半島)〜九州の主に太平洋側 (国外:日本固有)
     温帯〜暖温帯の山地

  • 花期 :  4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 1987年4月18日  滋賀県伊吹山
     中・花(紅紫色) 1978年4月30日  埼玉県秩父
     左下・シロイカリ 1980年5月11日  群馬県桐生市
     (上、左下は拡大写真あり、写真をクリック)
     右下・葉 1978年4月9日  静岡県焼津市

  • 撮影記 :
     春先の雑木林の林縁や林下で、イカリ(碇or錨)に似た花を多数ぶら下げているこの花に出会う。
     花の色は赤紫色だけでなく白い色の花も多く(シロイカリソウ(左下の2枚))、中にはその中間のタイプもある。
     ここにアップしたものは狭義のイカリソウとされるもので、広義に捉えるとヤチマタイカリソウヒゴイカリソウなどが含まれる。
     中国には「淫羊霍(いんようかく)」というというイカリソウの仲間があり、強壮・強精に使う漢方薬として知られているが、中国産とは違うものの日本の花にも似たような薬効があるといわれている。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
花(紅紫色)

シロイカリソウ