ミツバウツギ(三葉空木)

Staphylea bumalda


ミツバウツギ1


  • 科名・属名 : ミツバウツギ科 ミツバウツギ属

  • 特徴 :
     高さ1.5〜5mの落葉低木〜小高木。
     全体によく分枝し、1対の仮頂芽や対生する側芽から、有花枝または無花枝を伸ばす。
     葉は対生し3小葉からなり、小葉の葉身は長卵状楕円形〜卵形、長さ2.5〜7cm、幅1〜3cm。先は鋭尖頭、基部はくさび形、縁には芒状に尖る鋸歯がある。両面無毛か裏面脈上に細毛がある。葉柄は果時で長さ1.5〜4cm。
     花は本年枝の先に長さ5〜8cmの円錐花序となり、数個〜十数個の花をつける。花弁は5個、白色で長楕円形、長さ7〜8mm、平開せず直立して半開。萼は5個、裂片は長楕円形、緑白色で花弁と同長かやや長い。雄しべは5個、萼裂片と同長、花糸に軟毛がある。雌しべは1個、雄しべと同長、柱頭は3個、花柱と接着している。花柄は長さ8〜12mm。
     果実(刮ハ)は平たい風船状、上部が2〜3に分かれた特異な形で、径2〜2.5cm、横に筋が入り、9〜11月に褐色に熟す。種子は倒卵形、長さ4〜5mm、淡黄色で光沢がある。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国)
     日当たりのいい林縁、沢沿い

  • 花期 :   5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2014年5月12日  東京都御岳山
     中上・全体2 2022年4月23日  大分県由布市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序 2015年5月23日  静岡県富士宮市
     中下・花 2014年5月12日  東京都御岳山
     左下・果実(刮ハ) 2015年9月4日  神奈川県川崎市
     右上・葉 2017年9月15日    同  上
     右下・葉(裏) 2014年5月12日  東京都御岳山

  • 撮影記 :
     花の時期はウツギの和名がつけられているように、花時は同じように白い花をつけるウツギヒメウツギとよく似ていて、それほど目を惹く花ではない。
     しかし、果実の時期になると左下の写真のように面白い形をした果実をぶら下げるので、カメラを向けたくなるような花である。
     分布も北海道〜九州と広いうえ、林縁や藪などに普通に生えているので、果実の時期にでも見付け、翌年に花も観察して欲しい。

  • 小葉

    葉(裏)

    同じ科の仲間の花
ミツバウツギ2

花序

花

果実