アゼオトギリ(畦弟切)

Hypericum oliganthum


アゼオトギリ

  • 科名・属名

  •  オトギリソウ科 オトギリソウ属

  • 特徴

  •  草丈10〜40cmの多年草。
     茎は数本叢生し、よく分枝し、匍匐したあと立ち上がる。
     葉は対生し、倒卵形〜長楕円形で長さ1.3〜2.5cm。明点が密に入り、縁には黒点が多く、基部は狭まって多少茎を抱く。
     花は茎や枝の先に小数つき、花弁は黄色で径1.5cm程度。黒点と明点が入る。花柄は花よりはるかに長い。

  • 分布・生育地

  •  本州(関東地方以西)〜九州
     田の畦、湿地

  • 花期
  • : 7〜8月

  • 撮影月日・場所

  •  2004年8月8日 栃木県渡良瀬遊水地
     アップ  同 上

  • 撮影記

  •  平地の湿地など開発されやすい環境にあるため、水路や圃場整備、埋め立てなどで激減し、絶滅危惧種に挙げられるほどになっている。
     関東地方でも、タチスミレミゾコウジュなど昔の平野の植生が残されている何ヶ所で知られているだけである。
     そのうちでも規模や植生の豊かさで最大級を誇る渡良瀬遊水地に出かけた際、水際の湿地でやっといい状態の花に出会えた。
     アップでは、花や葉の明点や黒点の様子が見て取れる。
     表向きはともかく、足尾銅山の鉱害緩和のため遊水地とされた旧谷中村の跡地、そこに広がる大規模な湿地に昔からの自然が残されているというのも皮肉な話だ。

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