|
- 科名・属名 :
スミレ科 スミレ属(ミヤマスミレ節)
- 特徴 :
草丈4〜7cmの多年草。
無茎種。地下茎は短い。
葉は互生、葉身は広三角形〜狭三角状卵形で、長さ1.5〜4cm、幅1〜1.5cm。先は鋭頭、基部は深い心形、縁に波状の粗い鋸歯がある。質は薄く、表面は深緑色で、裏面は淡緑色かやや紫色を帯びるが、時に濃紫色のものもあり、普通両面無毛であるが、基部や全面に散毛のある場合もある。葉柄は長さ1〜5cm、花後は3〜12cmになる。
花は白色で、径1〜1.3cm。花弁はやや細く、長さ8〜11mm、幅3〜4mm。唇弁と側弁に紫条が入り、しばしば背面は紫色を帯びる。唇弁は他の花弁より明らかに短い。側弁の基部は有毛時に無毛。距は太くて短く、嚢状で紫色を帯び、長さ2〜3mm。花柱は虫頭形(カマキリの頭形)、上部両翼は左右へ強く張り出し、柱頭は前向きに突き出す。萼片は披針形、長さ4〜6mm、付属体は半円形で全縁。
フモトスミレに似るが、葉の鋸歯が粗く、裏面はあまり紫色を帯びないところが異なる。
- 分布・生育地 :
本州(関東地方以南)〜九州 (国外:日本固有) 山地の林下などの半陰地
- 花期 : 3月下旬〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1994年5月1日 高知県幡多郡 中上・全体2 2007年4月8日 千葉県清澄山 中下・全体3 2017年5月17日 鹿児島県霧島 (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・花 2016年4月14日 宮崎県児湯郡 右上・葉(表) 同 上 右下・葉(裏) 2017年5月17日 鹿児島県霧島
- 撮影記 :
ナガバノスミレサイシン同様、太平洋側に分布している。
山地帯に生えるスミレで、フモトスミレによく似ていて区別が難しい個体も多い。
この写真は高知県でカンアオイ類を探しにいった際撮影したもので、横倉型と呼ばれるタイプである。
関東地方にもわずかに知られ、中の写真は千葉県で数少ない生育地の清澄山系で撮影した。
同じ科の仲間の花
|